連載
ソフトウェアテストの施策と運用(前編)――IoT時代を生き抜くテスト施策:IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(8)(5/6 ページ)
変化する時代の中で、ソフトウェアテストはどのようにあるべきか。変わらなくてはならないならば、どう変わるべきか。今回はこれらの質問に対する解として、「新時代のテスト施策」について考察する。
テストと設計の関係
不確定で不安定な要求を入力として設計を行うときは、防御的な設計になりがちである。不確定な要求に対する仕様をホットスポット(*)として、将来、どのようになろうとも対処できるよう事前に手を入れておく。その結果、やがて設計はホットスポットだらけになる(図4)。
(*)ホットスポット(hot spot) 「熱い場所」という意味で、設計においては現在仕様が未確定の部分や将来の仕様変更が予想される場所を指す。設計ではホットスポットに対して、実装を抽象化するなどの何らかの対処をしないとやけどする
設計ではホットスポットに対して、多くは回りくどい設計(教科書的にはこれを柔軟性とか拡張性とか呼ぶ)をして、ホットスポットがどのようになっても対処できるようにする。例えば、何個ものインタフェースを追加したり、プログラムをデータにして取替え自由にしたり、ありとあらゆるテクニックを使う。しかし当然、設計は複雑になり、見にくくなり、実装は大変になり、実行は重く遅くなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ソフトウェアテストの試練(後編)―IoTとAI、ビッグデータが愛したテスト
IoTとAI、ビッグデータが一般化した時代に求められるソフトウェアテストとは、どのようなものになるのか、今回は新時代に求められるテストの必要条件とは何かを見ていくことにする。 - ソフトウェアテストの試練(前編)―IoTとAI、ビッグデータの試練を乗り越える開発
IoTやAI、ビッグデータのソフトウェアテストにどんな試練と障壁が待ち受けていて、その壁は登り越えられるのか。今回から新時代のソフトウェアテストの試練について見ていく。まずはテストに深く関係する「ソフトウェア開発」について振り返る。 - ソフトウェアテストの手法と施策(後編)「テストの施策」を反省する
何らかの判断でソフトウェアテストの手法が選択できても、「どう実施するか」の施策もまた、重要な要素である。プログラマー個人からチーム、会社レベルまで、どのような施策をもってテストを実施すべきか検討していく。 - ソフトウェアテストの手法と施策(中編) 幸せになれるソフトウェアテストの選び方
ソフトウェアテストの選択はケースバイケースであり絶対な正解はないが、ベターな選択は存在する。そこでテスト手法の詳細を知り、選択基準を見てゆくことにする。 - ソフトウェアテストの手法と施策(前編) テストの分類
IoTやAI、ビッグデータなどの概念が身近になった昨今、ソフトウェアテストはその複雑さを増している。そんな時代の中で実行力を持つソフトウェアテストの手法と施策を検証していく。