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自動運転車が起こした事故にメーカーは責任を持つか明治大学 中山教授 JEITA講演(3/3 ページ)

完全自動運転の実現に向けた努力は続けられており、その実現は夢物語ではない。しかし、これまで人が全責任を負ってきた運転を機械が担うことで、「有事の際の責任がどこに帰するか」という問題が浮上する。法学的な観点から現状を解説する。

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自動車に「人格」というアイデア

 これらは自動運転システムの普及によって、自動車の運転に関する人為的なミスが減るという前提に立った論であり、自動車運転のミスがなくなると言うことは交通事故の減少にもつながる。そこで余裕の生まれた社会的コストをどこへ投入するかという議題に対して中山氏が提言した1つの案は「民事責任の廃棄」だ。

 交通事故における民事責任とは被害者救済のため補償制度として機能する。だが、自動運転の普及によって事故そのものが減れば、無過失責任の事故補償制度導入、つまり、社会保険によって被害者は加害者の過失の軽重に関わらず補償を受けることができる仕組みの導入も可能になるかもしれないと言う。

 更に一歩進んで中山氏が披露したのが、「自動車に法律上の人格を持たせて、問題が起きた際には責任を持たせる」というアイデアだ。

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