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自動運転車が起こした事故にメーカーは責任を持つか明治大学 中山教授 JEITA講演(2/3 ページ)

完全自動運転の実現に向けた努力は続けられており、その実現は夢物語ではない。しかし、これまで人が全責任を負ってきた運転を機械が担うことで、「有事の際の責任がどこに帰するか」という問題が浮上する。法学的な観点から現状を解説する。

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 現行法下では「自動車メーカーや監督官庁責任者が刑事罰(刑法上の過失致死傷罪)を問われることは、非常にまれなケース」と中山氏は指摘する。しかし、事故の発生を具体的に予見できた場合にはその限りではないため、自動運転技術を実装した車を開発するメーカーの立場としては、企画開発時から自らの技術実装に対してより慎重になる必要は生じるだろう。

 完全自動運転車はまだ実用化されていないが、オートクルーズや自動ブレーキなど何らかのかたちで運転者を支援するシステムの搭載は珍しくない。その運転支援システムが原因となったと推測される事故やトラブルの相談先として「自動車製造物責任相談センター」が存在しており、そこへ寄せられている相談件数は既に相当数ある(自動ブレーキだけで2015年度に21件あった)。

 相談の中には「プリクラッシュシステムの作動で腹腔内出血を負った」「オートクルーズを設定したが、設定値以上に加速した」といった危険なものもあり、また、こうした装置類に対する苦情や紛争の数は増え、内容も複雑化しているという。特に車両の高度化・電子化が進む現在では、「電装、通信、ソフトウェアなどのトラブル対策が重要になる」(中山氏)ことは間違いないだろう。

「運転者の責任」が小さくなる可能性

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