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「基板」単位ではなく「機能」単位による製品開発を実現したオリンパスの取り組みZuken Innovation World 2016(1/2 ページ)

製品開発は法令順守や機器の高度化などで複雑化する一方であり、これまでの手法では限界を迎えつつある。オリンパスは医療機器開発において「基板」単位ではなく「機能」単位による製品開発を実現したが、どのようにしてその変革は成功したのか。

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 「図面管理の視点から設計者重視の視点へ、視点が変更できたメリットは大きい」

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オリンパスにおける医療機器主要製造拠点の1つ、会津オリンパスは2016年4月に新工場棟を竣工している(出典:オリンパス)

 図研が2016年10月に開催したプライベートイベント「Zuken Innovation World 2016」の壇上で「医療機器におけるブロック開発の取り組み」と題した講演を行った、オリンパスの岡田浩司氏(技術開発統括本部 RD開発サポート部 チームリーダー)は開口一番、医療機器開発にブロック設計を主体としたプラットフォームを導入した効果をこう語る。


 同社は医療機器開発に関して、1998年ごろから図研のEDAソリューション「CR-5000」を導入、シンボルの一元管理やCAD記載不備での品質不具合防止に取り組んでいた。加えて2000年代に入ってからはPDM/PLMツールである「DS-1」「DS-2」を導入し、作成された図面データ管理を中心とした運用を行っていた。

 これらツールの導入によってトレーサビリティや後工程へ向けた情報整理、試作出図時の作業減といったメリットを実現したが、医療機器開発は複雑化の一途をたどっており、その性質から「医薬品医療機器等法(旧:薬事法)」やFDA、MDD欧州指令など法規制対応も欠かせず、図面管理から出発した電気設計環境に多くの課題が発生していることは社内の多くで認識されていた。

 岡田氏はオリンパス社内の調査を行った結果、「コンセプト立案」「商品化可能性の検討」「設計開発」「商品化検討と導入」「導入後の維持管理」となるQSRのV字モデル導入が有効だと結論づけた。

新方式を提案も「運用の手間が大変」と言われ

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