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CEATECには「技術とモノを見せる」考えからの脱却が必要だ:家電の影は消えた(1/3 ページ)
展示会「CEATEC JAPAN 2016」が閉幕した。近年はITとエレクトロニクスの総合展示会として開催されてきたが、今回は「CPS(サイバーフィジカルシステム)とIoTの総合展」として開催されたが、そのメッセージは明確だったのだろうか。
これまでITとエレクトロニクスの総合展示会として開催されてきた「CEATEC JAPAN」が、2016年はその冠を「CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(モノのインターネット)の総合展」と付け替えた。
この変化は「モノ売りからコト売りへのシフト」「製造業のサービス化」などといった言葉でも説明できるが、端的に言えば、主催団体の1つであるJEITAが「高機能で安価なモノ作りは十分になり、今度は、製品やサービスをつなぎ合わせることが人や社会を豊かにする」と表現した「つながること」の重視だ。
来場者数を見れば2016年10月4〜7日の会期で前年からさほど変わらぬ動員を記録しているが、「つながること」を打ち出した2016年のCEATECは、その期待に応える内容となっていたのだろうか。
エレクトロニクスとITを両翼にした会場
公式サイトに掲載されている会場レイアウトを見ると分かるが、ホール6にアルプス電気やローム、ミツミ電機などのエレクトロニクスメーカーが配置され、ホール6から最も距離が離れているホール1にはパナソニックやNEC、富士通、NTTグループなどITに強みを持つ企業が配置された。
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