1チップで8K映像のデコード処理が可能なLSI、8K対応TV受像機の開発を容易に:ソシオネクスト SCH801A
ソシオネクストはNHKと共同研究で、HEVC符号化方式に対応したスーパーハイビジョン(8K)映像のデコードを1チップで処理可能なLSI「SCH801A」を発表した。
ソシオネクストは2016年3月、日本放送協会(NHK)と共同研究で、HEVC符号化方式に対応したスーパーハイビジョン(8K)映像のデコード(復号)を1チップで処理可能なLSI「SCH801A」を発表した。SCH801Aを既存のデジタルテレビ用SoCを組み合わせることで、8Kテレビ受像機を短期間で容易に開発できるという。
8Kテレビ受信に必要な全ての機能も提供予定
8Kは、フルハイビジョン(2K)の16倍にあたる約3300万画素の高精細映像である。そのため、8K映像のデコードには高度な処理が必要だ。これまでは、複数のプロセッサによる並列処理を行っていたため、8Kテレビの本格的な普及には、低消費電力で高速かつ安定したデコード処理の実現が求められていた。
SCH801Aは、高精細度テレビジョン衛星放送の映像符号化方式 (ARIB STD-B32 第1部の内のHEVC符号化方式)に対応した8K、60p、1チャンネルでのデコードを1チップで可能にする。外部インタフェースには、PCI Express Gen2を1レーン、HDMI2.0-Txを チャンネル搭載。今回、試験用ストリームデータを用い、8Kデコード処理の動作を確認したという。これにより、ソシオネクストは「SCH801Aが、8Kテレビの実用化と早期の普及に大きく貢献するものと期待している」と語った。
SCH801Aの量産開始は、2016年11月を予定。ソシオネクストは今後、8K映像デコード用LSIに加えて、受信復調や表示制御チップなど8Kテレビ受信に必要な全てのデバイスを提供していく予定である。ネットワーク経由の映像配信やデジタルサイネージなど、テレビ以外への応用も視野に入れ、8K映像のトータルソリューションを展開するとした。
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