昨今、盛り上がっている「チップレット」だが、最近の発表を聞いているとどうにも違和感を覚えてならない。IntelやAMDの製品を取り上げながら、当初提唱されていたチップレットの利点について、もう一度考えてみたい。
2024年5月16日、Esperanto TechnologyがRapidusの2nmプロセスを利用して同社の第3世代チップであるET-SoC-3を製造する事に関するMOU(協力覚書)を締結した事が発表されたのだが、この発表会に参加して感じた違和感というか、昨今のChipletの傾倒ぶりに関してちょっと思ったことを書いてみたいと思う。
そもそもChipletとは何か?に関して明確な定義がいまだになされていない。というのは、どうみてもMCM(Multi-Chip Module)でしかないのにChiplet扱いされるケースがあるためだ。取りあえず本稿では「単体では動作し得ないダイ同士を複数組み合わせて、システムとして稼働するもの」をChipletと呼びたい。具体的に言えば、かつてのIntel Core 2 Quad(Core 2 Duoのダイが2つ、1パッケージに載ったもの)や、AMDのZen 1/Zen 2世代のEPYCやThreadripper(これはいずれも単体で動作するCPUダイを複数、1パッケージに載せたもの)はChipletとして扱わない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
豊富なホワイトペーパーの中から、製品・サービス導入の検討に役立つ技術情報や導入事例などを簡単に入手できます。