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SRAM 3D Stackingという大きなトレンド大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/3 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、大きなトレンドになりつつあるSRAMの3D Stacking(3D実装)についてお届けする。

» 2021年07月14日 09時00分 公開
[大原雄介TechFactory]

 先月(2021年6月)はいろいろと話題があったのだが、その中でSRAM 3D Stackingの話をご紹介したい。

 もともと、LSIを3D Stackingするというアイデアは、それこそ2000年代前半からあった。ただ2010年代に入ってプロセス微細化の速度が落ちてくる中で、将来のプロセスオプションの一つとして3D Stackingが真剣に検討されるようになってきた。

 この3D Stackingは複数の分野で検討が始まっていた。一番重要度が高かったのがFlash Memoryで、容量増加の割合が平均で年率40〜50%という高い伸びを示しており、ところがプロセス微細化が頭打ち(電荷保存部の物理的な容積が限界)に近く、また多値化も寿命や性能とバーターといった制約があり、平面型の実装のままではニーズに応えられないでいた。それもあって2012年にSamsungが32層NAND Flashを発表するとすぐに各社これに追従。今ではメインストリーム向けは3D積層NANDがほぼ常識というところまできている。

 これに続いたのがDRAMである。NAND Flashに比べればまだそこまで要求が激しくないとはいえ、こちらも年率20〜30%という高い伸び率で容量増加のニーズが生まれていた。特にエンタープライズ向けでこの傾向が顕著であり、そこでJEDECではサーバ向けにDDR4 3DS(3D Stacking)という規格を2011年に標準化する。これは最大8枚のDDR4チップを積み重ね、間をTSV(Through Silicon Via:シリコン貫通電極)を使って接続するという技術であり、Samsungが2016年に20nm世代のプロセスを利用した製品を初出荷している。

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