宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(58)
“あの事件”でGitHubを遮断しそうになった全ての企業へ(1/2 ページ)
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回は、本来非公開のソースコードがGitHubに公開されていた事件を例に、あるべきセキュリティ対策についてお話しします。
先日、ITの世界である事件が注目を集めました。“GitHub”と呼ばれるソースコード管理サービスに対し、本来は公開してはならないソースコードが全世界に公開されていたという事件です。そのソースコードが使われていたと思われる金融業界や大手SI事業者は対応に追われました。
ただ、今回のコラムで取り上げたいのは、これら被害に遭った組織やソースコードを公開してしまったエンジニアに対してのお話ではありません。GitHubに対して“そのサービスって何?”と思った、皆さんに対してです。
何らかのインシデントが発生し、その経路や原因の中に見知らぬサービスが登場した時、皆さんはどう判断すべきでしょうか。
悪者として取り扱われそうになったGitHub
今回名前が挙がったGitHubとは、エンジニアであればその名を知らぬものがいない、非常に重要なサービスです。GitHubとはLinuxカーネルを作り出したリーナス・トーバルズが開発した「Git」というツールに関するサービスで、ソースコードのバージョン管理が行えます。プログラムは複数人で作り上げるのが当たり前になる中、それぞれが担当するソースコードの変更履歴をしっかり記録しなければ、不具合や脆弱性が作り込まれてしまいます。そのバージョン管理を一手に引き受けるのがGitで、そのソースコードをクラウド上に保存できるのがGitHubです。いまではオープンソースソフトウェアをシステムに組み込むことが当たり前になっているので、GitHubを利用することは、エンジニアにとってはもはや当たり前です。2018年にはGitHubの運営会社をあのマイクロソフトが買収しており、その点でも盤石な運営体制になったと言えるでしょう。
しかし、今回の事件では、ソースコードが社外に“流出”したその先のサービス、GitHubが悪者として取り扱われそうになりました。正確には勝手に流出したものでもなく、当該エンジニアが自ら保管していたソースコードを明示的にGitHubにアップロードした、というのが正しい認識です。
おそらく上記のインシデントに直接関係した大企業はGitHubの重要性を理解しているのではないかと思いますが、問題はこの報道を聞いた多くの(本インシデントとは無関係に見える)企業。「GitHubなるけしからんサービス、わが社は使ってはいないだろうな!」と、GitHub禁止令を出した企業がかなりあったことが、TwitterなどSNSで散見されました。
もちろん、それは誤った対応です。一般社団法人コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)はあらためて「GitHubに関する対応とお願い」を公開、この事件に関してGitHubが直接の原因ではないことを解説し、GitHubの設定を確認する方法、そして経営者、組織がこの問題にどう向かい合うべきかを述べています。本事件をなんとなくしか理解していないという方は、ぜひこちらのドキュメントを読んでおいてください。
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宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
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