メディア

Folding@Homeに多数のユーザーが集まった理由大原雄介のエレ・組み込みプレイバック(1/4 ページ)

エレクトロニクス/組み込み業界の動向をウオッチする連載。今回は、2020年3月の業界動向の振り返りとして、相次いで発表されたサーバ向けArm SoCの話題と、新型コロナウイルス関連で注目を集めるFolding@Homeについてお届けする。

» 2020年04月13日 09時00分 公開
[大原雄介TechFactory]

 先月にも増してCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が世界中で猛威を振るった2020年3月は、もう新製品どころの話ではなく、どうやって既存のビジネスを維持するかで精いっぱい、という感じになっているメーカーもかなり多い。それもあってあまりトレンドらしいトレンドはないのだが、小ネタを2つほどお届けしたい。

Server向けArm SoCが相次いで発表

 まず2020年3月早々にMarvellがOCTEON TX2ファミリーを発表した。このOCTEON TX2、ローエンドのCN913XシリーズはArmのCortex-A72を4コア集積した構成だが、その上位にあたる6コアのCNF95XX、12〜18コアのCN92XX、18〜24コアのCN96XX、ハイエンドで30〜36コア構成のCN98XXはいずれもMarvell独自のTX2コアを集積した製品である(写真1)。

photo 写真1 Marvellの公開したCNF95xxシリーズの内部構造。右上のOCTEON TX2 CPU coreを見ると、Arm v8.2A準拠で、4命令のOut-of-Orderとなっているのが分かる

 このOCTEON TX2発表の2週間後となる2020年3月16日に、第3世代のThunderであるThunder X3を発表している。このThunder X3の詳細は今年のHotChips 32(2020年8月16〜18日開催は確定しているが、オンラインでの開催が基本で、物理的なカンファレンス/トレーニングコースを開催するかどうかは現状未定となっている)で発表されるという事で、まだ詳細は明らかになっていないが、最大96コア/384スレッド(つまり1コアあたり4スレッド構成)で、コアは4つの128bit SIMDエンジン(NEON)を搭載し、Arm V8.3A+に準拠する。これを搭載したSoCはTSMCの7nmプロセス(N7なのかN7+/N7P/N6なのかも不明)で製造され、64レーンのPCI Express Gen4と8chのDDR4-3200を利用可能という説明がある。また2022年にはThunder X4をリリースするというアナウンスも行われた(写真2)。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.