設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。連載第2回では、企業の目的・組織構造を理解し、ステークホルダーを明確にすることの重要性を解説する。
前回は設計・製造現場で、プロジェクトを円滑に進める上で不可欠な「ヒアリング」について取り上げました。
ヒアリングのゴールは、「自身がどうありたいか」「部門をどうしたいか」「会社をどうしたいか」という理想を明確にすることです。そして、そのゴールに対して、今「自分がどのような状況にいるのか」「どのようなことで困っているのか」「会社がどのような状況なのか」という現実を発見して、それらを自身の言葉で話してもらうことです。
多くの場合、自分自身や(日々業務を行っている)所属部門の理想と現実を語ることはそれほど難しくないと思いますが、「会社」自身についてはどうでしょうか? そのためには、会社=“企業の目的とは何か?”を考える必要があります。
企業の目的とは「利益を生む」ことです(図1)。これは個人商店から大企業に至るまで、その分野が異なっても全てに共通の目的になります。例えば、筆者が日々取り組んでいるような3D CAD推進のプロジェクトも、最終的には“企業に利益をもたらすこと”が目的となるわけです。
それでは、「利益」とは何でしょうか?
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