NRIメディアフォーラムより
「サービスロボット」の最新動向【前編】(3/3 ページ)
ロボット汎用OSの覇権争いは?
ロボット開発そのものの動きが活発化する一方で、ロボット制御の中枢を担うロボット用OSの動向にも注目しておきたい。
結論から述べると、残念ながら、活発なロボットOS開発を続けている海外に対し、日本国内の動きは停滞気味であるといえる。
ロボット用OSとしては、Willow Garageが開発し、現在「Open Source Robotics Foundation(OSRF)」が維持・管理しているオープンソースの「Robot Operating System(ROS)」の導入が欧米を中心に進んでいる。OSRFの活動には、さまざまな分野のスポンサー企業が支援を行っており、コミュニティーも非常に活発だという。また現在、コンパクトサイズのロボット開発をターゲットに、「Raspberry Pi」のような小さな組み込みデバイスでも動作するROSの次期バージョン「ROS2」の開発が進められている。
一方、日本でも2011年にNEDOが「RTミドルウェア」を公開したが、それ以降、次期バージョンに向けたロードマップが示されておらず停滞状態であるという。
こうした勢いの違いを見ると、どうしても「iOS」や「Android」といった海外製OSにシェアを独占されているスマートフォン市場の状況が思い出される。
もちろん、技術力や品質で日本が決して劣っているわけではない。例えば、ソフトバンクグループのアスラテックが手掛けるロボット制御ソフトウェア「V-Sido OS」などは、アクチュエータの種類やロボットのサイズ、形状、用途にかかわらず、多種多様なロボットに適用可能なOSであり、高い汎用性が魅力である。特に、医療、介護・福祉、警備、ペット、接客・案内など、さまざまな分野・目的で利用されるサービスロボットにおいては、V-Sido OSは十分に強みを発揮できるのではないだろうか?
なぜこれまでのロボットブームは立ち消えたのか?
なぜ、今ロボットなのか? その理由としては、過去の普及阻害要因が少しずつ取り除かれ、解決への道筋が見えてきたことが挙げられる。
例えば、製品としてロボットを市場に出す以上、使用上の安全性が担保されている必要があるため、リスクを懸念するメーカーは製品化することを諦めてしまっていた。しかし、現在は、AI技術の発展の後押しなどもあり、協調型ロボットに代表される人と安全に連携できるロボット技術が急速に発展し、Pepperのように生活空間で使用できるロボットの製品化が実現し始めている。
また、これまで未成熟とされていたロボット開発における要素技術が成熟してきたことで、音声/画像認識技術などの精度が向上し、ノイズや光源など条件の異なる生活環境での利用にも耐え得るレベルにまで到達しつつある。他にも、無線ネットワーク技術の普及や前述した汎用技術の活用による開発コストの削減なども可能になってきていることから、サービスロボット市場が急激に活性化している。
次回、後編では「サービスロボットの現在の利用シーン」と「今後の展望」について取り上げる。(後編へ続く)
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