京都工芸繊維大学とNKリサーチは、熱溶解積層方式の3Dプリンタで利用可能な医療用フィラメントを開発した。
京都工芸繊維大学とNKリサーチは、「第6回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2016)」(2016年2月24〜26日、インテックス大阪)において、熱溶解積層(FDM)方式の3Dプリンタで利用可能な医療用フィラメントを展示した。
ポリ乳酸(PLA)は3Dプリンタのフィラメント材料としてABSと並んで広く知られている。その一方でPLAは、生体吸収性・生分解性を持つことから、手術の縫合糸などにも利用されている。京都工芸繊維大学とNKリサーチが、これら2点に注目し、医療グレードのPLAを使って開発したのが今回展示したFDM方式3Dプリンタ向け医療用フィラメントだ。
またPLAだけではなく、ポリグリコール酸(PGA)などを使った医療用フィラメントも開発した。主な用途として想定しているのは、細胞・組織再生用のスキャホールド(足場)である。
これらの医療用フィラメントを試作し、市販の3Dプリンタで造形を行ったところ、問題のない精度を実現できたという。早ければ2016年春から、医療用途での試験評価用に外部提供を始めたい考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
豊富なホワイトペーパーの中から、製品・サービス導入の検討に役立つ技術情報や導入事例などを簡単に入手できます。