大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
Intel「迷走の構図」 NVIDIAとの協業にも浮かぶ疑問符(3/5 ページ)
Core iプロセッサの生産を減らしたいIntel
もともとIntelは以前から、ASP(平均小売価格)の低迷を問題視していた。2022年、CeleronとPentiumというブランドを廃して、代わりにIntel Processorを投入すると発表した。また、2023年にはCoreプロセッサのブランドも変更することも発表したのは、要するに旧来のブランドだとASPを上げられない(特にCeleron/Pentiumは100米ドル未満でしかCPUを販売できなくなっていた)状況を是正するための方策であった。
このうちCeleronやPentiumは確かにフェーズアウトしていったが、Core iブランドはいまだに健在で、しかもArrow LakeベースのCore Ultraより売り上げが立っているという状況はIntelが望むものではない。年末までにRaptor Lakeプロセッサを10%以上値上げするという報道は、この状況を多少なりとも是正するためのものである。
そもそもIntelとしては段階的にCore iプロセッサの生産を減らしてゆきたい。ところがそのCore iプロセッサの人気が高まって供給が逼迫している状況である。なので価格を引き上げることで需要の調整を行うと共に、多少なりともASPの引き上げを図ろうと考えても無理はない。
加えて言えば、そうでなくてもリストラによってサポートエンジニアの数が足りなくなりつつある同社としては、古い製品のサポート負荷を軽減して、その分を新しいプロセッサ(2025年中に発表が予定されているPanther Lakeとか、2026年投入予定のNova Lake)のサポートに充てたいと思うのも無理ないだろう。要するにIntelとしては、なるべく早くCore iシリーズをCore Ultraシリーズに置き換えてCore iシリーズをフェーズアウトさせたいのに、マーケットがそれを許さない状況になっている訳だ。Zinsner氏が失敗と言ったのはArrow Lakeでフェーズアウトを実現できなかったことであり、これをNova Lakeに期待している訳である。
Executiveの交代は、CEOが変わる時には良くある話ではある。ただExecutiveだけでなく、有能なFellowやエンジニアまで同時に流出してしまっているのが問題ではあるのだが、これも体制の変更時にはしばしば起こり得る話である。ただDuan博士やSinghal氏の離職で、いきなりIntel FoundryのPackaging技術の開発が止まったり、次世代Xeonの開発が滞ったりといったことは、さすがに起き得ない程度にIntelの開発陣の層は厚いと思う(思いたい、というのが正確な表現か)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
これを読めばここ1カ月のエレクトロニクス/組み込み業界の動きが分かる連載。注目すべき市場動向と注目すべき製品を取り上げます。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:「PCIM 2026」で見たパワー半導体最前線――電子版2026年10月号
-
2
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
3
スマート工場動向調査2026
-
4
AIエージェントで製造業の暗黙知を継承、熟練者の思考を再現する保全強化策
-
5
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
6
DMG森精機の欧州深耕
-
7
高精度テクノロジーの学習モジュール 「高精度ADC 基礎編・上級編」
-
8
太陽光発電と蓄電池を最適制御、再エネ活用とコスト削減を両立する製品とは?
-
9
製造現場などを支える状態監視システム サンプリングの位相ずれを減らすには?
-
10
半導体の微細な構成要素を非破壊で可視化/評価する「3D X線技術」とは?
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー