大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
失敗できないEUV採用Intel 4、Intelが採った手堅い方法とは(2/4 ページ)
さて、一番肝心なのは、最小寸法が30nmというか、実質的には15nm以下になっていることだ。例えばFin Pitchは30nmということになっているが、これは「FinとFinの間」の間隔ではなく「あるFinと隣のFinの」間隔である。つまりFin 1本分+隣のFinとの空隙の合計が30nmという話なので、Finそのものの幅は15nmかそこらになる計算だ。これはIntel 7の時も厳しく、34nmということだったからつまりFinの幅は17nm程度になる。これはDUV+液浸のSingle Steppingでは厳しいというか不可能な寸法であり、なのでIntelはここにSAQP(Self-Aligned Quadruple Patterning)の技術を持ってきていた。SAQPを使えば、68nmの露光寸法があれば17nmのFinが構成できる。DUV+液浸ならこれは余裕の範囲である。ただFin幅が15nm(場合によってはもう少し小さい)となると、露光寸法が60nmないしそれ未満である必要があり、そろそろDUV+液浸では厳しい領域に入ってくる。
何が厳しいかと言えば、SAQPを使った場合にはどうしてもパターンが甘くなりがちになることだ(図3)。SAQPとはまず1本のパターンを作成し、これを転写して2本に、次いでその2本を転写して4本にするという形の手順になるが、結果どうしてもパターンは不ぞろいになりやすい(図3)。SAQPは同じウェハに、何度も重ね描きする形になる。この場合、ウェハの位置が正確に一致していなければ若干ずれる事になる訳だが、どうしてもnmオーダーでの多少のずれは発生する(nmオーダーで収まる、というのも考えてみるとすごい話だが)。ちなみにこのずれ、露光機の個体差もあるので、同じ露光機を使ってSAQPを行った場合と比較すると、異なる露光機を使った場合のずれは大きくなるのが一般的で、なので同じ露光機を使う様にスケジュールを工夫する必要がある。これは要するに露光機の稼働効率を優先したスケジューリングができないという話でもある。
この辺の問題がEUVを利用する事で大幅に改善される。EUVは線源に極端紫外線を利用している事もあり、NA(開口率)0.33の最初のEUV露光機での露光寸法は13.8nmほど。現在開発中の高NAのEUV露光機(NA 0.55)では8.3nmほどまで寸法が小さくなる。これは13nm幅のFinを一発で露光できる性能であり、そうなるとそもそもパターン転写の必要がないから、最終的なパターンがガタガタする心配もないし、1回の露光で済むからスケジューリングも楽になる。このEUVが必要なのは一番配線ピッチが厳しいところであり、トランジスタ層とM0は間違いなくEUV、場合によっては45nmのM2/M4もEUVを利用していると考えるのが一般的である。
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