大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
「FPGAの闇落ち」とルネサスのFPGA参入に思うこと(3/4 ページ)
この姿勢をもっと露骨に出しているのは、Lattice Semiconductorよりもさらに小さなAchronixである。Linley Fall Processor Forum 2020における同社のプレゼンテーションがこちらだ(図4)。
「将来のデータセンターはFPGAが中核で、汎用CPUはアクセラレータ扱いになる」とまで言い切っているのは、同社のFPGAの規模からするとちょっと夢物語に近い気がするのだが、要するに利幅が薄い組み込み機器よりも、もっと利幅が大きなサーバマーケットに目が行っているわけだ。
前出のスライド(図2)で天野教授は「高価なチップ、不要な装備、複雑で使いにくい環境、、Discloseされた見えない部分」と不満を述べられているし、HDLを直接扱えるエンジニアなどの中には同じ感想を抱かれる方も多いとは思うが、この方向性はさらに加速するだろう。なぜならFPGAベンダーがそうしたことを望んでいるからだ。
一昔前の大容量FPGAはASICプロトタイプ用のテストベッド、中小容量のFPGAはGlue Logic向け的な扱いであり、当然無駄に価格をたたかれるだけの存在でしかなかった。理由の一つは図1にもあるが、HDLでの記述が必須であり、限られたエンジニアしか扱えない≒大規模なシステムを構築できない(大規模システムを構築するのに必要なエンジニアが集められない)という事情があったからだ。HLSも天野教授が述べてるように、この問題を解決するには十分ではなかった。
そうだとしたら、さまざまなHard IPや独自のライブラリを組み合わせて、HDLを扱えない非FPGAエンジニアにも使えるような仕組みを提供するしかないし、そうしたものは自社のノウハウの塊になるからオープン化するのは困難である。またさまざまな用途向けに専用のHard IPを入れることでFPGA Fabricを無駄に占有しないようにすることで、使いやすくかつ(性能や消費電力的に)効率の良い動作を目指すのは自然な流れではあるが、これもその機能を使わないユーザーにとっては「不要な装備」と映るだろうし、その結果として「高価なチップ」になるのもまあ仕方ないことだ。天野教授の意見はとてもよく理解できるが、FPGA専業メーカーからすればこれに応えるのは難しいだろう。
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大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
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