大原雄介のエレ・組み込みプレイバック
IntelがIDM 2.0を掲げざるを得なかった理由(4/4 ページ)
こうした状況で、Intelが2024年にIntel 20Aを本当に立ち上げられるのか?というのは、Intel 4の立ち上げよりももっと疑わしく感じられるというのが正直な感想だ。さらに計画では、2025年にIntel 18Aで他社を技術的に追い抜くとしているわけだが、それ以前にIntel 20Aが本当に実現できるのか、をもう少し説得力ある資料で示してほしいところである。
こうしてみると、Intel 7はともかくとしてその先のIntel 4/3/20A/18Aに関してはかなり楽観的というか、これまでのIntelからすれば無茶ではないか? と思わざるを得ないロードマップである。ただそんなことはGelsinger CEOも承知の上でこのロードマップを作ったのだろう。理由は簡単で、いつまでもGelsinger CEOの魅力だけで引っ張ることはできないからだ。
一般に新CEOが就任して100日目あたりまでをHoneymoon PeriodあるいはHoneymoon Phaseと呼ぶが、このHoneymoon Periodの終わりには何かしらの成果を出すことが求められる。もうGelsinger CEOは就任後100日はとっくに過ぎているわけだが、先のロードマップでも分かるように2023年まではプロセス技術でTSMCの後塵を拝することはもう決定事項であり、これがそのまま製品レベルの競争力に結びつくことになる。これはこのところIntelのDCG(Data Center Group)が急速に業績を悪化させている事を想像すれば理解はしやすい。プロセスが2023年まで後塵を拝しているという事は、製品レベルでは追い付くのが2024年ごろになるわけだ。もちろん先に書いたIDM 2.0の話にもあるように、一部製品はTSMCに委託する。台湾経済日報は2021年8月10日に、IntelがTSMC N3を利用してGPUおよび一部のCPUの量産を行う事を報じたが、これはIntelの全体からするとそれほど大きな量とは言えない。つまり2024年まで、Intelは苦しい戦いが継続する事になる。それが分かっているからこそ、2024~2025年に明るい未来が待っているというビジョンを見せて、従業員や顧客、さらにはファンドなどの株主にそこまでの我慢をお願いするしかない。その意味ではGelsinger CEOは既に背水の陣を敷いていると言えなくもない。もう後戻りできる道はなく、このIDM 2.0路線を突っ走るしかないのだ。
2021年10月27、28日にオンライン/オンサイト両方(当初はオンサイトのみと言ってたが、さすがに昨今の状況ではオンラインも併用せざるを得ないと判断したようだ)で開催されるIntel innovationというイベントで、このプロセスロードマップについても補足説明が行われるらしい。ここで、Intel 7のプロセスの完成度とか、Intel 4に関する技術的動向などが説明されることを期待したいところだ。
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