第273回 NRIメディアフォーラム
2024年、産業用ドローン市場は1500億円規模に――活躍が期待される5つの領域(1/2 ページ)
野村総合研究所(NRI)は「第273回 NRIメディアフォーラム」を開催。「2024年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」をテーマに、注目市場およびトピックに関する動向と将来予測を解説した。本稿ではその中から「産業用ドローン市場」の話題について取り上げる。
野村総合研究所(以下、NRI)は、IT市場を中心とした動向分析と予測を行う『ITナビゲーター』の2019年度版の発刊に併せ、「第273回 NRIメディアフォーラム」を開催。「2024年度までのICT・メディア市場の規模とトレンドを展望」をテーマに、注目市場およびトピックに関する動向と将来予測を解説した。
本稿ではその中から「産業用ドローン市場」の話題について取り上げる。
⇒NRIメディアフォーラム「スタートアップ企業を支える中国深センのエコシステム」のレポートはこちら
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ドローンの種類と活躍が期待される5つのサービス領域
世の中に存在するドローンの種類は、大きく4つに分類できる。
回転翼を備えるものとしては、無人ヘリコプターに代表される「シングルローター型」と、同じく回転翼を複数搭載する「マルチコプター型」(マルチローター型と呼ぶことも)がある。ドローンというと、おそらく後者のマルチコプター型をイメージする方が多いだろう。マルチコプター型のドローンは市場の伸びも顕著で、中国のメーカーであるDJIの製品が国内外で圧倒的なシェアを誇る。
そして、飛行機のような固定翼を備える「固定翼型」、固定翼型の機体にローターを搭載することで垂直離陸を可能にした「垂直離着陸型(VTOL)」が存在する。
「マルチコプター型は、複数のプロペラの回転数を制御することで安定飛行を実現し、垂直離陸に対応する。バッテリー駆動の機体が多く、他の種類よりもサイズダウンでき、必要となるスペースも少なくて済む。現在、ホビー用から産業用まで幅広いタイプの機体が製造されている」(NRI ICTメディア・サービス産業コンサルティング部 副主任コンサルタントの名武大智氏)
また、NRIではドローンが活躍する、あるいは活躍が期待される代表的なサービス領域として、「(1)農林水産業の生産支援」「(2)インフラなどの点検・検査」「(3)空撮・監視」「(4)測量」「(5)輸送」の5つを定義する。
(1)農林水産業の生産支援としては、農薬散布や農作物の発育監視、森林の材料把握といった利用が挙げられ、最近では海上の密漁監視にも活躍が期待されている。(2)インフラなどの点検・検査では、ドローンが取得した画像データなどを用いて施設や設備の老朽度合いを解析し、メンテナンスの最適化などに役立てる。(3)空撮・監視に関しては、ホビー用を含め、現在最もドローンが利用されている領域である。(4)測量は、産業用途としては比較的導入が進んでいる領域で、土木工事現場などでの利用が進みつつある。(5)輸送は、実証実験などの話題をよく耳にすることがあるが、これら領域の中で注目度は一番高いという。
2024年、産業用ドローンの市場規模は1500億円規模に
具体的な産業用ドローンの市場規模については、2018年度で319億円になると推計。これが順調に伸びていくことで2024年には1500億円規模になるとNRIは予測する。2018年度の内訳で見てみると、農薬散布を中心とした農業での利用が多くの割合を占め、160億円規模を維持している。「日本国内の場合、農業でのドローン利用は150億円以上の市場規模となっており、実はかなり以前から100億円規模の市場はできていた。推計になるが国内にある水田の4割程度で、ドローンによる農薬散布が行われているというデータもある」と名武氏は説明する。
また、今後の市場の伸びとして期待できるのは、点検・検査であり、ニーズ拡大とともに少しでも導入が進めば、相対的に市場も拡大するだろうとNRIはみている。加えて、輸送に関しても規制緩和や制度の見直しなどが進むことで2024年には200億円程度の市場規模になると予測する。
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