製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力(7)
「Fusion 360」の現場導入、理想と現実【その2】(2/2 ページ)
社外との共有における「Fusion 360」の活用
この会社では、今後、設計データの社内共有範囲を購買などの間接部門にも広げることで、調達の合理化も図れるのではないかと考えているそうです。このように、社内でのデータ共有にFusion 360を活用する一方、社外との共有はどのように行っているのでしょうか。続けて見ていきましょう。
機械の製造では部品製作を伴いますが、この会社ではその一部を外注工場に委託しています。画像を見るだけでもさまざまな形状の切削部品と板金部品が使われていることが分かります(画像5)。これらの部品を複数の外注先に振り分けて手配するのです。
このときFusion 360は、外注先との間で当該機械の製作に関わる情報を共有するための「インタフェース」の役割を担います。クラウドによるプロジェクト共有によってアセンブリと全パーツの3Dデータを共有することで、全員が作ろうとする機械の全体像を把握でき、自社以外の外注先が製作を担当する部品の情報も入手可能なため、必要に応じて外注同士がコミュニケーションを取りながら作業を進めることもできます。
この会社では、Fusion 360により多くの種類のCADデータを展開できること、そして何より、インターネットがつながりさえすれば、いつでもどこでもファイルを共有してコミュニケーションが取れる“クラウドベースである”ことをうまく活用していました。
以上、全7回にわたってFusion 360の機能と魅力、そして製造現場での活用方法について紹介してきました。
本連載で何度もお伝えしてきた通り、Fusion 360は3D CAD/CAM/CAEの機能を融合させたモノづくりのための統合プラットフォームです。個別機能は定期的にアップデートされ日々強化されていますが、ハイエンド/ミッドレンジクラスの製品と比較すれば、機能や性能の優劣はどうしても出てきます。
筆者の意見としては、そこではなく、クラウドによってプロジェクトを管理してコミュニケーションを取りながら、企画から製造までのプロセスをスマート化できることこそが、Fusion 360の最大の強みであり、期待したいポイントだと感じています。
もちろん、Fusion 360の機能の中には、「負荷制御切削」という優れた機能を持つCAMがあったり、設計の途中で「気になる箇所の解析」ができるCAEがあったり、有機的な形状のモデリングができるCAD機能があったりしますが、それはFusion 360の魅力のほんの一部に過ぎません。今回紹介した導入事例の中にSOLIDWORKSとの共存の話もありましたが、これも同様です。使い方次第で製造現場における活用範囲は今後もっと広がっていくといえるでしょう。Fusion 360とは、そういうツールなのです。(連載完)
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 設計現場の56.5%が3D CADを活用、2次元からの「移行予定なし」も16.7%
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製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力
個人ユーザーを中心に人気を集めるオートデスクのクラウドベース3D CAD「Fusion 360」。ホビーユースだけではなく、本格的な設計業務でも活用できるというが、果たして本当なのか? “ママさん設計者”として活動する筆者が、現場目線でFusion 360の有効性や活用メリットを探る。
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