製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力(1)
クラウドベースの3D統合ツール「Fusion 360」とは?(3/3 ページ)
そこそこのPCでも動作する「Fusion 360」
動作環境についても気になるところでしょう。わざわざハイエンドのPCを用意する必要があるのでしょうか。Fusion 360の動作環境を以下に示します(表1)。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| OS | Apple macOS High Sierra v10.13、Apple macOS Sierra v10.12、Mac OS X v10.11.x(El Capitan)、Microsoft Windows 7 SP1、Windows 8.1、Windows 10(上記いずれも64bit版のみ) |
| CPU | 64bitプロセッサ(32bitプロセッサはインストール不可) |
| メモリ | 3GBのRAM(推奨は4GB以上) |
| グラフィックスカード | 512MB以上のGDDR RAM(VRAM) (Intel GMA X3100を搭載しているカードを除く) |
| ディスク空き容量 | 2.5GB |
| 表1 Autodesk Fusion 360の動作環境 | |
そして、筆者が実際にFusion 360をインストールしたPCのスペックを表2に示します。「Lenovo ThinkPad T520」は少し前の機種ですが、筆者はシステムドライブをSSDに換装し、メインメモリを4GBから8GBに増設。OSを「Windows 10」にアップグレードした上でFusion 360をインストールしました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| メーカー/型式 | Lenovo ThinkPad T520 4241A25 |
| OS | Microsoft Windows 10 Professional 64bit |
| CPU | Intel Core i5 2520M 2.5GHz |
| メモリ | PC3-10600 8GB |
| SSD(システムドライブ) | 128GB |
| HDD(データドライブ) | 320GB |
| グラフィックス カード | NVIDIA NVS4200M 1GB |
| 表2 動作検証したPCのスペック | |
実際、この程度の環境でもFusion 360はストレスなく動作します。ただ、これはグラフィックスカードの恩恵が大きいようです。公称では、「オンボードのグラフィックスチップでも問題なく動く」とされていますが、3D画像を滑らかに描いて動かすには高度な処理が必要ですから、オンボードのグラフィックスチップでは少々力不足。パーツモデリングなら動作に問題がなくても、パーツ点数が数十点あるようなアセンブリになってくると動作が重たく感じると思います。Fusion 360に限らず、ストレスなく3D CADを使いたいのであれば、グラフィックスカードはあった方がよいでしょう。
通常、高度な計算が必要なレンダリングやシミュレーションでは、PCに大きな負担がかかるため、より高いスペックのPCが求められます。これに対し、Fusion 360ではこうした重たい処理をクラウドに任せることができます。当然、スペックにもよりますが、Fusion 360を導入するためにわざわざ高性能なPCを新調しなくても済むかもしれません。これもクラウドベースの恩恵です。
「クラウド怖い」
ところが、製造業従事者にとって、Fusion 360の“クラウドベース”という形態もまた、二の足を踏む要因となっているようです。
最大の懸念点は、門外不出のCADデータを自社のファイルサーバではなく、目の行き届かない外部のクラウドで管理することへの不安です。CADデータは企業の財産ですから、こうした不安は当然といえます。ですから、不安を払拭(ふっしょく)する意味でも、盗難や漏えい、紛失、毀損(きそん)などの事故防止の安全対策はどうしているのか、万一事故が発生した場合に補償はあるのかなど、導入前にベンダー側に対して積極的に説明を求めるべきでしょう。
グローバル化の進展とITの進化はなおも続くでしょうから、近い将来、今よりもクラウドベースのツールが占める割合が大きくなる可能性だってあります。そのため、製造現場でも、変化への対応と将来の動向を予測しながら、クラウド、自社システムともどもバランスの取れた運用を模索していかなければなりません。 (次回に続く)
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製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力
個人ユーザーを中心に人気を集めるオートデスクのクラウドベース3D CAD「Fusion 360」。ホビーユースだけではなく、本格的な設計業務でも活用できるというが、果たして本当なのか? “ママさん設計者”として活動する筆者が、現場目線でFusion 360の有効性や活用メリットを探る。
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