つながる世界の開発指針(2)
つながる世界の「安全安心」に向け、考慮すべき17の項目(2/3 ページ)
つながる世界のリスク分析
では、こうしたIoTのリスクを分析するにはどうすればよいか。本開発指針を編さんした「つながる世界の開発指針検討ワーキング・グループ(以下、本WG)」では、「System of Systems(SoS)」を構成する、単独で目的や機能を果たす「IoTコンポーネント」に着目した。そして「IoTコンポーネント」の構成要素をモデル化し、「守るべきもの」と「リスク箇所」を整理した(図3)。
リスクの整理の手順はこうだ。最初に守るべきものを「IoT機能」「本来機能」「情報」「その他」の4つの要素として分類した。そして、それぞれのリスク箇所と想定される脅威やハザードを以下の5つに整理した。
- 通常使用インタフェース(以下、I/F)
- 脅威・ハザード:外部からの不正アクセス、DoS攻撃、ウイルスの混入、ほかのIoTコンポーネントからの異常データなど
- 保守用I/F
- 脅威・ハザード:保守要員の立場を利用した設定変更や機能の不正利用、認定機器以外の不正接続や不正アクセス、ソフトウェアの改ざんなど
- 非正規I/F
- 脅威・ハザード:デバッグ用ピンなど、露出した回路への結線によるソフトウェアの解析、誤ったUSBデバイスの接続など
- 内包リスク
- 脅威・ハザード:故障や欠陥による異常データの発信、出荷前に感染したウイルスによる不正サーバアクセスなど
- 物理的接触
- 脅威・ハザード:センサーの不正交換、IoT機器の誤操作、設定情報の改ざんなど
安心安全のための「17項目」
IoTにおけるリスク分析について、確立された手法はまだ存在しない。そのため本WGでは、上記の「守るべきものとリスク箇所」および「つながり方のパターン」を横軸にした。
具体的には、横軸を6W1Hの視点で「誰が」「どのように接続し」「どこの箇所で」「どのような問題が発生したか(またはどの段階で発生したか)」、そして「結果的にどのような被害が発生し」「その原因は何だったか」とした。そして、縦軸をIoTに関するリスク事例とし、リスク分析を行った。
そしてこの分析を基に発生要因を分類し、そこから本質的な課題を抽出し、IoTライフサイクルの観点で整理して、開発時に考慮すべき17の指針(項目)を導出した(表1)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「つながる世界の安心安全」実現に向けた重要ポイント
IoT(Internet of Things)は、新規ビジネスの創生や利便性の向上による市場獲得などが期待されている一方で「つながる」ことで発生するセキュリティ脅威の増大や、“1つのモノ”の障害が、ほかのモノに波及/拡大する危険性も懸念されている。 こうした現状を鑑み、情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(IPA/SEC)では、IoT機器/システムの開発者や経営者に検討してほしい事項を「つながる世界の開発指針」や「『つながる世界の開発指針』の実戦に向けた手引き」としてまとめた。本連載ではこれら内容をより具体的に紹介していく。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:「PCIM 2026」で見たパワー半導体最前線――電子版2026年10月号
-
2
降圧レギュレーターのVOUTリップル測定時における高周波ノイズ
-
3
スキマ時間に学ぶ! 日本経済のいま(第33回~34回)
-
4
SiC・GaN時代のパワー半導体開発、信頼性評価と故障解析の課題にどう対応する?
-
5
工場内のメーター読み取り負担を軽減、AIカメラによる巡回点検自動化の実践術
-
6
DMG森精機の欧州深耕
-
7
高精度テクノロジーの学習モジュール 「高精度ADC 基礎編・上級編」
-
8
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
9
半導体の微細な構成要素を非破壊で可視化/評価する「3D X線技術」とは?
-
10
フィールドサービスの熟練技術者が「AIエージェント」を求めている理由
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー