SOLIDWORKS WORLD 2018
SOLIDWORKSはデスクトップも意識しつつクラウド戦略を強化――新たな設計環境やPLMも登場(2/2 ページ)
4.SOLIDWORKS xDesign
そして、4つ目に紹介されたのがWebブラウザベースの設計ツール「SOLIDWORKS xDesign」である。xDesignについては2年前の「SOLIDWORKS WORLD 2016」(米国テキサス州ダラス)で初めてその名前が公になったと記憶しているが、その当時から直近のSOLIDWORKS WORLD JAPAN 2017までは、「D」ではなく「X」が大文字表記の「Xdesign」が使用されていた。
SOLIDWORKS xDesignは、3DEXPERIENCEプラットフォームに対応した3Dモデリング環境で、使用するデバイスを問わず、Webブラウザ(webGL対応が条件)上で動作するいわゆるクラウド3D CADである。前述のSOLIDWORKS Product Designerも同じクラウド3D CADと表現したが、イメージとしては前者がプロ向けの設計環境(アプリケーションをPCにインストールする必要がある)であるのに対し、後者(SOLIDWORKS xDesign)は広く3Dモデリング環境を提供する役割を担う。そのため、SOLIDWORKS xDesignはインストール不要のWebブラウザによるマルチデバイス対応が行われている。「SOLIDWORKS xDesignは、ワークステーション環境で3D CADを使うという感覚のものではなく、もっと多くの人に活用してもらうことを目的とした3Dモデリング環境である」とバッシ氏は説明する。Webブラウザベースという点だけではなく、使い勝手も良く、「SOLIDWORKSユーザーであれば特別なトレーニングなどなくてもすぐに使用できる」(バッシ氏)という。
またモデリングそのものに関しても、デスクトップ版のSOLIDWORKSとは明らかに異なるアプローチを採用している。その代表的なものが「デザインガイダンス」技術による形状最適化である。例えば、設計者が指定した領域や制約条件などを基にコンピュータが形状を自動生成し、条件を満たす最適な形状を提案してくれる。この形状合成の領域は他のCADベンダーも取り組んでおり、注目されているだけに正式リリースが待たれる。残念ながら、今回正式リリースの時期についてのアナウンスはなかったが、既に20人の先行ユーザーが実際の製品設計などに活用を始めているという。今後、正式版の提供に向けて先行ユーザーの枠を250人、そして2018年末までに約7000人規模に増やす計画だとしている。
5.3DEXPERIENCE Marketplace Make
「3DEXPERIENCE Marketplace Make」は、製造サービスプロバイダーとコンテンツプロバイダーによるオンラインのエコシステムである「3DEXPERIENCE Marketplace」において、オンデマンドの製造サービスを提供するものである。さらに3DEXPERIENCE Marketplaceでは、部品調達を行うためのサービス「3DEXPERIENCE Marketplace PartSupply」も提供しており、コラボレーションの活性化とイノベーションプロセスの効率化をトータルで支援する。
基調講演の中で「エンジニアリングの世界におけるAmazon.comのような存在」(バッシ氏)と表現していたが、製造の委託先を見つけたり、部品調達先を見つけたりといったことが数クリックで実現できるオンラインの商取引プラットフォームとして、3Dデータを共通言語とした設計から製造までの一気通貫の仕組み作りにも積極的に取り組んでいる。
既に、3DEXPERIENCE Marketplaceには、500台以上の製造装置を有する50社のデジタル製造サービスプロバイダーと、600社のサプライヤーから提供された3000万点以上のコンポーネントが掲載されているそうだ。また、支払い、為替、請求といった本来手間のかかる取引全般の管理やトレーサビリティに関しても3DEXPERIENCE Marketplace側で全て行ってくれるという。
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
» 主要7製品を完全網羅! 製品選定・比較に役立つ「商用3D CADカタログ 完全版」
» 【導入事例】食品加工機械メーカー不二精機による“3D CAD推進”
» デキるエンジニアのCAD設計
» PTCが語る3D CADの歴史と「Creo」の注目機能
» 3D設計業務の未来を見据えた戦略とビジョン
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
企業戦略(メカ設計)
「3D CAD」「CAE」「3Dプリンタ」「3Dスキャナー」など、メカ設計を中心とした主要企業の取り組み、事業戦略をピックアップ。業界・企業動向の情報収集にぜひご活用ください。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] AIで脱炭素計画を最適化、初年度からエネルギーコストとCO2を削減する方法 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の開発動向、日本の投資戦略やコスト目標の見通しは?
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:フィジカルAIが生み出す新たな「設計思想」――電子版2026年8月号
-
2
半導体装置メーカー 業績まとめ【2027年3月期第1四半期】
-
3
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part4)
-
4
一時は時価総額トヨタ超え キオクシア2026年度の動向
-
5
微細配線間の絶縁劣化をどう捉える? 先端パッケージ評価の最前線
-
6
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part1)
-
7
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:2026年上半期の半導体業界を振り返る――電子版2026年7月号
-
8
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part3)
-
9
CADツールの見直しは本当に必要? 切り替えの理由と効果を7つの質問で検証
-
10
新入社員に読んで欲しい鉄鋼材料の基礎知識まとめ(Part2)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー