NEC Industrial IoT
NECが実践し、提案する「ものづくりの高度化」とは何か(2/2 ページ)
実践段階に入った「IoTを用いたものづくりの高度化」
セミナーに登壇したNECの神保典和氏(第一製造業ソリューション事業部 ものづくりIoTインテグレーション部)はこうした自社の取り組みを紹介しながら、CeBITやハノーバーメッセといった海外展示会における各社の動向、それにロボット革命イニシアティブ協議会、IVI(Industrial Value chain Initiative)といった団体の活動に触れ、「IoT技術を用いたモノづくりの高度化が、いよいよ実践段階に入った」と現状を説明する。
NECのIoTを活用したものづくりのソリューションは体系化されており、「NEC Industrial IoT」と呼ばれる。製造業の企業活動に関する全領域のデータをデジタル化してつなげ、AIなどの技術を利用してサプライチェーン全体のQCD向上や品質課題の改善スピード向上などを実現するものだ。
技術的なコアとなるのはもちろん、「NEC the WISE」と名付けられたAI技術群である。
WISEは「見える化」「分析」「対処」といった領域をカバーする技術群であり、顔認証やテキスト含意認識、音状況認識、異種混合学習、自律適応制御、ディープラーニングなどの技術を内包する。こうした技術群を用いて、サプライチェーンの最適化やカイゼンの高速化、ノウハウの形式知化などを行うのが、NEC Industrial IoTである。
こうした技術やノウハウを製造業へ提供する際、大きなアドバンテージになっているのは、NEC自身が蓄積した経験だ。具体的には製造業の業務を「検査省人化」「設備稼働・品質」など7つに類型化、類型化した業務をNECの技術やノウハウで段階的に高度化するという提案方法となっており、体系づけた改善が可能となっている。
類型化した業務の1つである「検査の省人化」については、NECの保有する技術である「RAPID機械学習」を用いた多くの事例が存在する。
その実現方法としては、上流工程の検査装置に画像認識のAI(RAPID機械学習)を導入し、学習モデルを更新していくことで不良品検出の精度を上げる方法が考えられる。ここで求められるのは、検出の精度のみならず過検知を抑えつつ検出漏れを最小限にするノウハウである。自らも製造業であるNECにはこうしたノウハウが豊富に蓄積されており、機械学習の導入によって、生産ラインにおける検査員を3分の1に削減することも可能だとする。このような事例を含めて、NECにおける2016年度のAI・アナリティクス関連では商談対応500件、売り上げ実績1000億円を数えるまでに成長している。
製造業の改革と言えば「生産現場の改革」が主であり、それは今も続いている。しかし、現場主導の改革だけでは及ばない領域があることも確かだ。サプライチェーン管理などはその典型であり、そうした領域には大量のデータが存在するため、解決にはAIが大きな力を発揮する。
世界規模のサプライチェーンを持ちつつ製造現場も知るNECは、製造業の将来像を「現場」と「戦略」に分けて、それぞれの到達点を提案する。現場は製造設備やサプライチェーンをデータという軸でつないで効率化を図り、問題発生時の解決スピードも速める。戦略については現在の市況や過去の製品情報をAIで分析して新製品開発に生かし、また、需要供給分析によってSCMの最適化を目指す。
加えて神保氏は「スマートファクトリーの実現には、全体構想の段階が重要だ」と述べる。生産ライン単位でIoTやAIを導入することも生産性向上につながるが、目指すべき到達点を検討しながらKPIを設定して仮説検証を繰り返すことが、全社視点での活用には重要になるとした。
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