サイバートラスト セキュアIoTプラットフォーム
組み込みと認証で「ライフサイクル」を守る一気通貫セキュリティ
組み込みLinuxなどを手掛けるミラクル・リナックスと、電子認証局事業を行うサイバートラストが合併した。狙いは製品ライフサイクルそのものを守る“一気通貫のセキュリティ”だ。
組み込みLinuxなどを手掛けるミラクル・リナックスと、電子認証局事業を行うサイバートラストが2017年10月1日づけで合併した。ミラクル・リナックスを存続会社とする吸収合併だが新会社の社名は「サイバートラスト」となり、機器認証からライフサイクル管理までを提供する「セキュアIoTプラットフォーム」を事業の大きな柱に据える。
新会社の代表を務める阿多親市氏は「IoTの世界における安全の確保には、電子認証だけでもソフトウェア開発だけでも足りない」と新生サイバートラストが手掛ける“一気通貫のセキュリティ”に大きな期待を寄せる。
新会社が提供する「セキュアIoTプラットフォーム」は、半導体への共通鍵書き込みに始まり、IoT機器の生産/出荷/運用/廃棄の各段階での電子認証を提供することで、半導体製造から廃棄までの各レイヤーにおける、製品の「ライフサイクル」を包括的にカバーする。既に試験導入は実施されており、2018年初頭にはフルサービスとして提供する予定である。
認証サービスを提供するサイバートラストでは「セキュアIoTプラットフォーム」の提供を2015年から行っていたが、これは認証を核としたもので、IoT機器のライフサイクルまではカバーしていなかった。しかし、IoTにおける機器(デバイス)はネットワークにつながることが前提となっており、利便性の向上と引き換えに外部からの攻撃にさらされる危険性も内包している。
ミラクル・リナックスではこうした危険性に対処すべく、セキュア領域を持ったハードウェアとコンテナを構築した仮想環境、適切なセキュリティ設定を持ったOS、セキュリティソフト、2段階認証を持つOTA(Over The Air)アップデート機能などを組み合わせた「Embedded MIRACLE IoT Securityアーキテクチャ」を提供しており、「セキュアIoTプラットフォーム」は、サイバートラストの認証技術とミラクル・リナックスのIoT機器向け技術を組み合わせたものといえる。
ただ、昨今では単純な技術の適用ではなく、「企画設計開発の段階でセキュリティを意識した設計である」こと。つまり、「セキュリティ・バイ・デザイン」であることが推奨されており、サイバートラストの事業戦略説明会に登壇したアームの内海社長氏も「これからはIoT機器が圧倒的に増えるはず。TrustZoneはARMの技術だが、認証局やソフトウェアがなければ成立したい。こうした取り組みを歓迎したい」と、セキュリティ・バイ・デザインの実現には複数社による取り組みが有効であるという見解を示す。
2017年10月24日に行われたサイバートラストの事業戦略説明会には、アームの他、大日本印刷、NEC、日本マイクロソフト、ミツフジ、Taisys Technology、ミルウス、ユビキタス、ラック、ラムバスといった企業が登壇。繊維メーカーのミツフジは、自社ウェアラブルブランドへのセキュアIoTプラットフォーム採用を公表しており、「ウェアラブルコンピューティングで発生するデータは生体データであって、セキュリティは極めて重要」とその理由を説明する。
ミツフジの他、北海道大学発のベンチャーであるミルウスも各種センサーで測定したバイタルデータを利用する「miruWs」にセキュアIoTプラットフォームの導入を決定しており、加えてサイバートラスト 取締役 上級副社長 眞柄泰利氏は「複合機や自動車といった領域での採用が検討されており、2018年の夏には何らかの形を見せることができる」と市場性についても有望だとした。
なお、事業戦略説明会の当日、サイバートラストはユビキタスとIoT機器向けの脆弱性診断サービスにおける提携を、Taisys Technologyとは電子証明書対応SIMカードを利用したセキュアな統合管理基盤の開発についての合意を発表している。加えてセキュリティベンダーのラックが資本参加することも発表されており、「IoTのライフサイクルに対して安全性を担保する企業」としての色彩を強めている。
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