テクトロニクス・イノベーション・フォーラム2017
IoTに適した2.4GHz帯/900MHz帯通信規格の最新情報と測定(3/3 ページ)
LPWAのメリットとデメリット
鹿取氏はBluetoothに続いて、最近話題のIoT向け規格としてLPWA(Low Power Wide Area)を取り上げた。LPWAの規格はいくつかあるが、ほとんど900MHz帯を利用するため、2.4GHz帯に比べ回折しやすく(障害物の影響を受けにくく)、伝搬損失が低い(長距離まで届きやすい)というメリットがある。他方でデメリットとしては、国によって許可されている周波数が異なる(日本は920MHz帯)こと、広帯域通信が利用できないため大容量伝送が難しいことなどがあげられる。
鹿取氏が解説したLPWA無線通信規格は、LoRaWANとSIGFOXの2つ。LoRaWANはSemtechが立ち上げ、現在はLoRaアライアンスが策定する通信規格。チャープスペクトラム拡散と再クリックシフト技術を使っており、時間的に通信周波数を変化させることによってデータを伝送する仕組みで、非常に微小な信号でも受信できるという点が特徴だ。
低消費電力ながら最大10km程度の長距離通信が可能となっている。もう1つのSIGFOXはSigfoxが開発した通信規格で、上り100bps、下り600bpsという低データレートながら、周波数ホッピングするDBPSK変調方式を採用し、数十kmをカバーする長距離通信が特徴(現時点、日本国内では上りのみ のサービス提供となっている)。詳しい技術仕様は非公開で、日本では京セラコミュニケーションシステムが展開している。
BluetoothやLPWAの測定における課題
Bluetoothの信号は、日本の電波法のいわゆる技適とは別に、Bluetooth SIGが定める物理層規格を満たさなくてはならないが、それには不要放射や変調の品質、周波数変調のオフセットやドリフトなどを計測する必要がある。テクトロニクスでは、これらBluetooth SIGの基準に適合しているかどうかテストできる測定ソリューションを用意しており、Bluetooth 5で追加となったLE CodedやLE 2M仕様についても、測定ソリューションを提供予定とのことだ。
LoRaWANの信号解析では変調周波数の増減の様子を確認するのがメインとなるが、シーエスファームが開発したLoRa変調解析ソフトとテクトロニクスソリューションとの組み合わせによって低レベル信号も高感度で受信して解析でき、これまでない詳しい変調解析が可能になったという。SIGFOXの特徴的な通信方式である、周波数ホッピングの測定も、同社のリアルタイム・スペクトラムアナライザで解析できる。
テクトロニクスの「RSA306B/RSA500A/600Aシリーズ」や「RSA500Bシリーズ」などの信号解析機能付きリアルタイム・スペクトラムアナライザは、周波数の変化の様子や、Bluetooth/LPWA共通の課題である外部電波との干渉を観測して解析できる。このほか、制御回路との同期の測定では「MDO4000Cシリーズ」などのミックスド・ドメイン・オシロスコープが適していると紹介された。
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