宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(17)
IoT機器はどうやってアップデートが行われるべきか? 究極の手法を考察する(2/2 ページ)
利用者にアップデートをさせる究極の手法とは?
実は、「アップデートを強制的にインストールする」ことが正解だと思っています。そう、それは勝手に、いつの間にかアップデートを“強制的に”インストールする方法です。おそらく、これ以外の手法はもはやないのかもしれません。
そんなことが本当にできるのか? と思うでしょう。しかし、皆さんもこのアップデート方法を受け入れているはずです。実は、Google Chromeなど、最近のWebブラウザのアップデートはこの方法で、勝手にアップデートが行われています。
「PCのアプリだからこそできること」ともいえますが、個人的には全てのコンシューマー向けIoT機器が、このような「自動更新を強制的に行う」仕組みであってほしいと願っています。もはやインターネットにつながる機器は、全てが最新の状態で、既知の脆弱性がないという状態にあるべきです。そこに利用者の判断は、ほとんど不要なはずです。
IoT機器であれば、多くの場合、24時間365日起動したままになっているでしょう。アップデートのタイミングは機器により異なるはずです。アップデートを利用者にどう知らせるかに苦心するよりも、「アップデートに伴う再起動を利用者に影響なく行うための心配り」や「安心、確実に正式なアップデートファイルを利用者に届けるための仕組み作り」に苦心すべきです。もはや、利用者に判断を迫ることよりも「アップデートしなければ、IoT機器とあなたの情報が危険にさらされる」ということを、正しくアピールし、「強制アップデートこそが正しい手法である」と認知させることに努力すべきです。
IoTセキュリティガイドラインも参照に
IoT機器においては、アップデートは大変重要なポイントです。単にファイルを提供し、適用させることだけではなく、世界に向けて販売された自社の製品群に、適切にアップデートを行き渡せる方法を考える必要があります。
経済産業省が提供している「IoTセキュリティガイドライン」にも、アップデートに関する記述がたくさんあります。そこには、アップデートという作業において、悪意ある攻撃が入り込まないようにすべしとも書かれています。
アップデートは利用者にとっても、提供側にとっても大変重要なことです。アップデートをきっちりと行うことが、企業における製品のサポート力の強さだと見なされます。家庭で活躍している、インターネットにつながったIoT機器のアップデート状況を省みつつ、適切なアップデート手法を考えてみてはいかがでしょうか。一見、強権的過ぎる方法が、実は一番利用者のためになっているかもしれません。
著者紹介:
宮田健(みやた たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追い掛けている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。現在、ITmediaエンタープライズにて、もはや誰もが人ごとではないITの課題や話題を紹介する「半径300メートルのIT」を連載中。また、それをまとめた書籍「デジタルの作法~1億総スマホ時代のセキュリティ講座」も発売中。
筆者より:TechFactoryでの本連載では、ITセキュリティの「あるべき論」「正論」だけでなく、モノづくりに携わる方たちに「気楽に」「楽しく」セキュリティを考えていただけるように、さまざまな話題を取り上げたいと思います。「セキュリティっていわれてもねえ……」と思わず考えてしまった皆さまに覚えていただけるようなコラムにしたいと思います。お楽しみに!
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宮田健の「セキュリティの道も一歩から」
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届けします。
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