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山積する課題、設計と検証を「スマート」に進めるには(2/2 ページ)
加えて効率的な検証手段の1つとしてDevgan氏が例示したのが、マルチコア並列シミュレーターの「Xcelium」だ。Xceliumは「Verilog XL」「Incisive」に続く第3世代のシミュレーターと位置付けられており、シミュレーション処理を並列化した際、自動的に複数コアにタスクを割り当てて実行する。
「コンパイルシミュレーションのインパクトに次ぐのが、並列シミュレーションであり、今後は多く使われることになるだろう」(Devgan氏)
マルチコアの並列処理が高速なのは想像の範囲内であるが、Devgan氏はシングルコアであってもXcelium はIncisiveより高速だと述べており、シミュレーターとしての完成度が世代を重ねることによって向上していることがうかがえる。
エミュレーターについては、同社は最大92億ゲートという巨大システムを検証可能な「Palladium Z1」を2015年冬に発表しており、そのセールスは好調だという。その好調さを加速すべく、ザイリンクスのFPGAを搭載したプロトタイピングソリューション「Protuim S1」を2017年2月に発表している。このPalladium Z1とProtuim S1はコンパイラに互換性を持つため、組み合わせることで開発・検証時間を短縮できる。製品ポートフォリオの幅広さを象徴する1つの例と言えるだろう。
実装にもマシンラーニングが効果を発揮
Palladium Z1やProtuim S1は開発・検証ソリューションであり、次のステップとしては実装(インプリメンテーション)となる。車載やIoTといった分野での利用を考えると、実装においてはミックスドシグナルの重要性が増すと予想されるが、Devgan氏は「長年、アナログを扱ってきた経験が生きる分野だ」と実装分野にも自信を示す。
実装分野のツールとしては「Stratus」や「Genus」「Innovus」「Tempus」などを有しており、それぞれに効果を発揮しているが、近年大きな成果を上げている例として紹介されたのが、Innovusとマシンラーニングの組み合わせだ。
Innovusは16/14nmや10mnm、7nmといった微細配線に対応するツールとして訴求されているが、Devgan氏が示したのはインプリメンテーションにおけるマシンラーニングの適用だ。マシンラーニングによる学習ルールをInnovusに適用することで、10nm時で12%のPPA(Power Performance and Area)改善が見られたという。このマシンラーニングという手段は配線実装以外にも有効であるとDevgan氏は述べており、デザインフロー全体の高速化やフロアプランの効率化などにも有効な手段として機能するとした。
最後にDevgan氏が紹介したのが、並列型フィジカル検証(DRC)ツールの「Pegasus」だ。微細化された先端プロセスのDRCツールとして機能すべく、Pegasusは数百単位のCPUで構成される大規模コンピューティングにも対応しており、「既存製品に比べて10倍の速度を誇り、CPUの数に応じてスケールする」(Devgan氏)柔軟性を手に入れている。
導入顧客であるMicrosemiとTEXAS INSTRUMENTSのベンチマーク結果によれば、360個のCPUからなるコンピューティング環境の場合、Pegasusは既存製品に対して6倍から12倍、1000個以上のCPUからなる環境ではCPUの個数に応じて処理能力が上昇することを確認したとしている。
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