SYSTEM DESIGN JOURNAL
スマートフォンとIoTハブの類似性(2/4 ページ)
失われた理想
理想主義者のIoTに対するアプローチはまったく異なります。まず1枚の白紙を用意し、必要なセンサーとアクチュエーターを全て書き込みます。次に、それぞれにインターネット接続を付け、センサーの読み取りとアクチュエーターへの指令を実行するクラウドアプリケーションを作成します。
実際には完全に仮想上のシステムであり、ソフトウェアを変更するだけで、動作パラメーターはもちろん、アルゴリズムさらにはシステムの目的さえも変更できます。産業用アプリケーションにおいては「Software-Defined Machine(SDM)」という表現が提案されています。
しかし、細部に宿る悪魔は少なくありません。
そのほとんどはシステムの中心に位置するインターネットの存在に関連します。インターネットを使ったメッセージングには予測不可能な遅延が生じる可能性を否定できないので、この理想的なアーキテクチャを用いたシステムは、メッセージの遅延または紛失に耐えなければなりません。
この要件は極めて大きな制約であり、理論上どんなに柔軟であろうとも、経験豊富な設計者の多くは理想アーキテクチャを一蹴しています。さらにもう1つ問題があります。それは、保守的なエンベデッドシステムに対する接続及びセキュリティ要件が同様に適用されることです。
センサーとアクチュエーターは、やはりインターネットと通信しなければならず、自己防衛しなければなりません。しかし、この場合、ボードレベルのコンピュータではなく、小さなセンサー、半導体リレー、またはモーター制御用MCUにそうした要求を突きつけることになります。相対的なオーバーヘッドは膨大であり、小さなバッテリー駆動デバイスに搭載できる単純なセキュリティ対策では圧倒される可能性が高いでしょう。
そうした問題から、多くのアーキテクトは保守主義でも理想主義でもなく「中道」を模索しており、重要なコンピューティング機能をセンサーとインターネットの間の中間位置に移動しようとしています。多くの場合、この中間位置はワイヤレスハブとしても機能します。
仲介者
コンピューティングを中間地点、多くの場合は短距離ワイヤレスネットワークとインターネット接続の間に移動すると言う考えは、数多くの新たな疑問を投げ掛けています。どのタスクをどこに配置すべきか、このスマートハブがどれほどの処理能力と適応能力を必要とするのか、さらにはこの構成によって新たなアルゴリズムが必要になるのか、実際には従来のエンベデッドシステムの再分割にすぎないのか、といった疑問です。
これらの疑問に対する答えは、まずシステム内の最も脆弱(ぜいじゃく)なリンクを見つけることによって得られます。この場合、そのリンクはパブリックかつ非決定性で、時々切断されるインターネットのはずです。従って、レイテンシ重視のデータフローがインターネットを横断しないように、そして消費されるデータのできる限り近くで演算が実行されるように、ローカルサイト、ハブ、そしてクラウドの間にタスクを分散することが目標になります。
これらの指針に従おうとした場合、一部のアプリケーションでは保守主義が正解であると分かるでしょう。最良のソリューションは、コンピューティングリソースをローカルに維持し、接続及びある程度のセキュリティの層を単に重ねることです。しかし、その他に少なくとも3つの興味深いケースを見いだすことができます。
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