製造業アンケート
製造業大手15社に聞いたIoT導入の“いま”、求められる技術者像も多様化(2/2 ページ)
製造業における生産効率や業務改善、品質向上、コストダウンといった課題解決のため、IoT導入に積極的な姿勢の企業は多いが、最大の課題として認識されているのは「人」であるようだ。では、どのような人材を製造業はIoT導入に際して求めているのだろうか。設問「IoT導入の課題解決のために求める人材像」に対する回答を見ると、生産技術およびデータ分析への精通を求める声が多く寄せられた。
しかしながらグラフを見ても分かるよう、生産技術やデータ分析に加えて、ICTスキルやプロジェクトマネジメント、ネットワークおよびセキュリティに精通した人材を求める声も多く、製造業IoTを担う技術者には現状、多種多彩なスキルや技術が求められている。
実際、アンケートで寄せられたコメントを見ると、「これ1つができればよい」というものはない。
「理想はERP(統合基幹システム)とMES(製造実行システム)構築の経験者」「現場要求を分析し、システムへの組み込みができるアーキテクト」「モノづくり全体のあるべき姿を描くことができる人材」など、複数スキルを兼備した人材を求める声が寄せられている。
「既存プロセスを変えられる技術と、人やモノの情報を高度処理する技術が必要。理想的な技術者像は、AI関連スキルと既存生産プロセス技術の双方を持つ人材ではないかと思います」(カシオ計算機)
「生産現場のIoT活用を推進しているので、システム開発のスキルだけではなく、設備や現場のオペレーションを把握していることが理想です」(富士通テン)
「IoT導入における効果の最大化を考えた場合、サプライチェーン、エンジニアリングチェーン、生産管理(生産計画管理)、生産実行管理(MES)、そして実際の生産現場のそれぞれに精通し、ものづくり全体のあるべき姿を描くことができる人材が必要不可欠」(明電舎)
ただ、「複数スキルを兼ね備えた人材は必要だが、個々の分野での専門家も必要」(明電舎)という声も多く、なかでも「AIエンジニア」「データ分析技術と要因解析」「情報セキュリティと保守」など、IoT導入にて生産現場から発生するデータを生かすための人材を強く求める声も複数寄せられており、このデータ活用人材への要望は、製造業へのIoT導入ならではの動きとして注目される。
ちなみにこうした求める人材に関しての求人状況だが、「積極的に行っている」と「応募があれば対応している」を合わせても約2割にとどまっており、やや慎重であるように見える。しかしながら、「今後、求人を予定している」を加えれば求人に対して積極的な姿勢を示す企業が5割を超えている。
IoT導入の目的として多くの企業が挙げた「生産効率化・業務改善」「コストダウン」「品質向上」のいずれもが製造業にとって継続的かつ重要な課題である以上、IoT導入による課題解決とIoT導入と稼働を円滑に進めるための人材募集は、今後も加速していくものと考えられる。
本アンケートの調査期間は2017年3月13日~4月14日、調査は対象企業へのアンケート直接送付である。
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