IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(7)
ソフトウェアテストの試練(後編)―IoTとAI、ビッグデータが愛したテスト(2/4 ページ)
IoTやAI、ビッグデータが一般化する新時代のソフトウェア開発では、多種多様のものが相互につながり、それが動的に拡張され、また非決定的な動作をするシステムが開発対象となる。この困難さが増した新時代のソフトウェアテストについて見ていく。
新しい時代のテストに求められるもの
新しい時代のソフトウェアテストに対応するため、テストでは個々のIoTデバイスだけではなく、相互につながっているシステム全体のテストが必要になる。つまり、個々のテストの足し算ではなく、個々のテストの掛け算が必要となる。
例えば、デバイスとITサーバの両方の状態の組み合わせでテストをする必要がある。これは膨大なテストになり、従来のテスト手法をそのまま援用することは死を意味する。またテストの爆発を防ぐ防護服が求められ、オールペア法や直交表、探索的テストの組み合わせが防護服に相当する。
新時代のテストでは、動的なシステム拡張やそれに基づく分散管理にも対応する必要がある。拡張は往々にして痛い仕様変更を伴い、きっとテストも痛い目に会う。これに耐えうる強い精神力と体力が求められる。
機械学習のような非決定的な動作に対応するテストや、ビッグデータのような大量で非定型的なデータに対応するテストが必要になる。何を正義(正しい仕様と正しい動作)として、何を悪とするかを決め、それらが刻々と変化することにも対応できる、いわば「神の判断」が求められる。これらを図2に示す。
とあるテスト現場より(2)
A:「いや、求めすぎって言うか。防護服に精神力、体力、それに神の判断なんて」
B:「言うだけならタダだ。でもこれだけそろえてテストをするだけとは無駄使いかな」
A:「テストは避けては通れないし……」
B:「避けずに進むには強い精神力と体力。テストをせずに済ますには耐える精神力と神の恩恵」
新しいソフトウェアテストの必要条件
新しいソフトウェアテストは柔軟で拡張性に富み、接続性に優れているものでなくてはならない。そしてテスト数が爆発しないためには、要領よく立ち振舞わなければならない。そしてテストの妥当性を神の判断でしなければならない。一方では新しいテストも従来の延長上のテスト手法である方がいい。全く新しいテスト手法は習得も面倒で、経験もないからである。
このようなことが求められる新時代のソフトウェアテストは、今までのソフトウェアテストの組み合わせによるものがいい。従来手法の組み合わせでバランスを考慮し、そしてその運用に力を入れることにする(図3)。結局、テストに銀の弾丸は存在せず、じわじわと攻めていくしかないのである。
前節の新しいソフトウェアテストに求められるものとここの定義はどちらかというと防御であり、着ているのは防護服である。バグは見つけられるかもしれないが、完全に消し去ることはできないだろう。攻めとしての新時代のソフトウェアテストについては、最後の回で触れることにする。
新しいテストの施策については次回から見ていくことにして、次からその施策方針と問題点を見ていくことにする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
高度な半導体/電子デバイスの非破壊不良解析を支える「3D X線技術」に迫る
-
3
「ロボットアーキテクチャ」実態調査2026年版:現在の課題と優先事項を解説
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
スマート工場動向調査2026
-
6
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
-
7
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
8
SiC・GaN時代のパワー半導体開発、信頼性評価と故障解析の課題にどう対応する?
-
9
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
10
はじめての化学工学まとめ(Part1)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー