インテル&FPGA
「データカンパニー」に変貌する半導体の巨人、FPGAへの期待と懸念(2/2 ページ)
「データリッチなモノと機器」とは、デバイスのネットワーク化(いわゆるIoT化)やスマート化、自動化を支援するものと定義づけられており、具体的には小売りや交通、産業・エネルギー、自動車などにフォーカスしてのリソース投入を指す。中でも自動車については専門事業部(自動運転ソリューション事業部)を立ち上げ、自動運転車ソリューション「Intel Go」などの推進を図る。
「自動運転車は車輪の付いたデータセンターとも呼べ、車載コンピューティング、高速な常時接続のネットワークについても注力していく。提供するIntel Goは自動車とクラウドを連携させるもので、自動運転車開発に大きな柔軟性をもたらすものだ」(江田氏)
Intel Goと同様の業界特化型プラットフォームとして投入されるのが、小売り向けの「Intel Responsible Retail Platform(Intel RRP)」である。Intel RRPではRFIDタグを用いた在庫管理からセンサーを用いた店舗内トラフィック、デジタルサイネージ、売り上げ分析と連動した動的価格設定など、これまで個別の製品やソリューションとして提供されていたものを横断的に提供する。
「これまではデバイスをネットワークにつなげることを推進してきたが、これからは“モノからクラウド”を一貫したソリューションとして提供する」 IoTアジア・セールス IoTマーケット・デベロップメント ダイレクターの佐藤有紀子氏はこのように“つながることでの価値”を協調し、半導体ベンダーであるインテルであっても、モノからコト売りへのシフトを進めていると語る。
「柔軟性」を提供できるかがカギを握る
「データカンパニーになる」という江田氏の発言は、半導体の開発と利用が見込まれる産業へのコミットという両面作戦によって「データにまつわる、さまざまな領域に関与していく」という意味にとれる。それは「1つの技術、製品を推進していく訳ではない。柔軟性を持ってデータをムーズに回せる企業であることを意図している」という技術担当役員のコメントからも明らかだ。
柔軟性という言葉で気になるのが、アルテラの買収によってポートフォリオに加えたFPGAの今後だ。通信や車載など今後大きな伸びが見込める領域にプログラマブルプロセッサは適しており、また、人工知能や自動運転などハードウェアの仕様そのものに“幅”が必要になる用途もある。
基本的にはアルテラとして構築されていたロードマップや方針は踏襲される予定となっており、2017年2月にはインテルブランドとしてのFPGA「インテル Cyclone10 ファミリー」が発表されている。FPGAとインテルアーキテクチャCPUを複合させた製品の投入も計画されているが、FPGAの普及を図る際に課題となりそうなのがFPGAプログラミングではないだろうか。
FPGAはハードウェアロジックをプログラミングで構成するので応用の幅が広い。ただ、裏返せば適切なプログラミングができなければFPGAを採用する意義は薄れる。ツールの充実もあり、FPGAプログラミングは以前ほど困難なものではないが、それでもVisual Studioのような簡便さには届いていない。「データを回すデータカンパニー」として、FPGA開発に関するサポート強化が今後のインテルに求められる。
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