IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(4)
ソフトウェアテストの手法と施策(中編) 幸せになれるソフトウェアテストの選び方(3/5 ページ)
組み合わせテストを機械的に行う
今まで見てきたテストは、同値分割した値の組み合わせでテストをするので、組み合わせテストと呼ばれる。同値分割法からデシジョンテーブルまでは、組み合わせそのものは人間がしていた。そこで以下からは組み合わせを人間がするのでなく、機械的にする手法を見ていく。
オールペア法や直交表で組み合わせテストを自動化
組み合わせを機械的に行う手法として、オールペア法と直交表がある。これらの手法はツールを使えば、自動的に組み合わせを生成してくれる。
オールペア法は名前の通り、入力の2個(ペア)の組み合わせを全てテストすることを保証する方法である。逆に言えば、それだけしか保証しない。つまり全組み合わせのテストをするとは一言も言っていない。網羅基準をペアだけの組み合わせの保証だけにして、全組み合わせのテストから手抜きをすることでコストを下げている。
例として、前述したデシジョンテーブルでのアミューズメントパークを考える。このときの全組み合わせのテストであれば、年齢4個×性別2個×曜日2個×在住2個の32個のテストをする必要がある。しかしオールペア法であれば、全組み合わせをせずにペアだけに限定する。つまり、年齢4個×曜日2個のペアのテストとして、8個の組み合わせが入ったテストをして、同様に年齢×性別、年齢×在住、性別×曜日、性別×在住、曜日×在住のペアについてテストをする。ツールを使えばたった8個だけで上記のテストができる。その例を表2に示す。
表2を見て、任意のペア、例えば、年齢と性別に関して、全ての値の組み合わせがあることが確認できる。つまり(子供、一般、50歳台、60歳以上)×(男性、女性)の8個の組み合わせがあることを確認できる。同様に他のペアについても確認できる。オールペア法ではいろいろなペアの組み合わせを、同時に1個のテストケースに効率よく入れることで個数を減少させている。
一方、直交表はオールペア法よりも強い条件になる。オールペア法では1回以上テストする条件であったが、直交表では同数個のテストをする条件になる。1個だけなら、全てのペアが1個だけにし、2個なら全てのペアも2個にする。オールペア法であれば、あるペアは3個、あるペアは1個というようなアンバランスなテストでも1個以上の条件を満たすが、直交表の条件は満たさない。
直交表の条件を満たしていれば、オールペア法の条件を満たしていて、テストケース数は直交表の方が多くなる。しかし同数個のテストをして入力を平等に扱い、平等にテストをするので、バグを発見できる可能性が高くなる。オールペア法を使うか直交表を使うかは、製品に求められるコストと品質のバランスで選ぶことになる。
とあるテスト現場より(3)
A:「オールペア法ってすごいですね。……で、これで十分なんですか?」
B先輩:「勝てば官軍、バグが出なければ十分。負ければ賊軍、バグが出れば不十分」
A君:「やっぱり、オールペア法も経験と勘になるんですか」
B先輩:「違うな。全ての上司とユーザーのペアで判断するんだ。それがオールペアだ」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
この記事の著者
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社 Green AI] 自動車業界には好機 脱炭素×コスト削減×現場改善を実現するエネルギー戦略 -
製品資料
[株式会社 Green AI] 脱炭素投資をすぐ回収したい 自動車業界にも有効なCO2削減アプローチ -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 「ペロブスカイト太陽電池」の普及戦略が公表 政府が目指すコスト・導入量のロードマップを解説 -
市場調査・トレンド
[スマートジャパン編集部] 導入が加速する再エネ・系統向け蓄電システム コスト・収益性の現状分析 -
技術文書・技術解説
[スマートジャパン編集部] いまさら聞けない「ペロブスカイト太陽電池」の基礎知識と政策動向
関連記事
こんなメディアも見られています
TechFactoryに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
特集
- マテリアルズ・インフォマティクスの動向調査
- 研究・開発職のデジタル活用調査
- 設計・解析業務におけるAI活用
- 3Dプリンタ利用動向調査
- CAD利用動向調査
- つながる工場の現状と課題
- 製造業におけるAI開発および活用の実態
- 設計・製造現場における品質管理
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
CAE解析をAIエージェントに任せてみた 人は何を担うのか
-
2
高度な半導体/電子デバイスの非破壊不良解析を支える「3D X線技術」に迫る
-
3
「ロボットアーキテクチャ」実態調査2026年版:現在の課題と優先事項を解説
-
4
EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版:製造現場にフィジカルAIをどう実装するか――電子版2026年9月号
-
5
スマート工場動向調査2026
-
6
【読者調査結果】製造業の脱炭素動向調査2026
-
7
「見て覚えろ」が通じない時代 製造業の保全技術はどのように継承すればよい?
-
8
SiC・GaN時代のパワー半導体開発、信頼性評価と故障解析の課題にどう対応する?
-
9
動き出したファナックの「フィジカルAI」
-
10
はじめての化学工学まとめ(Part1)
TechFactory SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechFactoryをフォロー