IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト(2)
ソフトウェアテストのコストと品質(後編)―現場と「上」で一緒に考える(4/6 ページ)
問題6. 品質予測
原則2「完全なテストは不可能」と、原則1「テストは欠陥があることしか示せない」ことから、テストは「現在の全製品の品質」を測定していないことが導ける。品質を虫眼鏡で一部を拡大し、真実の品質を予測しているだけである。
また予測にはテストが十分であるという保証が必要で、それも難しく、予想を困難にしている。例えば、レビュー指摘が全くなかった製品の品質が優れていると予想していいのか、単にレビュアーのスキルが低かったのかは分からない。
前段階で行うテストほど、「予測」の度合いが大きくなる。システムテスト(総合テスト)は真実の品質とそれほど大きな差はなく、予測もほぼ当たる。しかし結合テストや単体テスト、さらに静的テストであるコードレビューやデザインレビューにおけるバグや指摘件数による品質予測は困難なものになる。しかし、予測は初期にしてこそ意味がある。早期に品質が予測できれば、対策も練れる。場合によっては戦略的撤退という方法も取れるかもしれない。
上から目線で考えるということは、予測を長期に渡って行い、短期的・中期的・長期的施策を考え、長期的利益を生み出すということである。予測こそが上から目線である。しかし予測は困難であり、予測を成功させるためには、多くの経験とスキル、そして勘と運が必要である。
とあるテスト現場より(6)
A:「先輩、バグが一杯出てて、このシステム、もう無理です」
B:「大丈夫だ。誰もそのシステムは使わないという予想だ」
A:「先輩、バグが1個も出ていません。世の中に出しても大丈夫ですよね」
B:「テストケースを見直せ」
問題7. テスト技術者の育成
最後に示す問題も大きな問題である。コストと品質のバランスが短期的な大問題とすれば、「テスト技術者の育成問題」は長期的な大問題である。
この問題は大きな2つの問題を内包している。「テスト技術者を目指すエンジニアが少ないこと」と「本来、テストはベテランが担うもので新人には難しいものであること」である。
プログラミングが創造的な仕事であるのに対し、テスティングは破壊的な作業である。人がせっかく作ったプログラムの欠陥を見つけては破壊する作業である。欠陥を見つけるためには相当程度の経験と勘、スキルが必要であるが、逆に評価は小さい。まさに「労多くして功少なし」の典型的な例である。
この問題こそが「上から目線」で考える必要のある問題である。「上が考えるべきだ」と開発現場から傍観しているのもダメでともに考えるべき問題であるが、とにかく難しい問題であることには違いない。
とあるテスト現場より(7)
A:「先輩、なんかテストは他人の悪口を言っているようで、心が折れます。苦しいです……」
B:「そこを何とかやってくれないか」
――
A:(B先輩がいない別の場所で)「ちっ、あの先輩。全然頼りにならないヘタレで性格も悪いし。評価最悪」
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IoTとAI、ビッグデータ時代のソフトウェアテスト
言うまでもなくソフトウェアテストは重要だが、IoTやAIなどの新しい概念によってソフトウェア自体の在り方が変わりつつある中、旧来からのテストを踏襲するだけでは成果は得られない。新時代のソフトウェアテストについて、考察する。
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