国内サイバー犯罪動向
標的型ランサムウェアが日本企業を襲う!? IIoTシステムを狙った攻撃にも注意(2/3 ページ)
4社に1社の割合で「侵入」を受けている事実
ランサムウェアに続く2つ目の脅威は、法人が所有する情報を狙った標的型サイバー攻撃である。標的型サイバー攻撃の公表された国内被害事例を見てみると、2016年は件数が減少傾向にあるように見える。
しかし、実際の標的型サイバー攻撃は継続的に行われており、同社調べによると最低でも月10万件の検出件数で攻撃が推移しているという。また、同社が監視しているネットワークの中で、C&Cサーバに対して接続している通信に絞って確認してみたところ、同社が監視対象としている企業組織の中で、4社に1社の割合で「侵入」が発生しているとのことだ。「われわれの監視対象であれば迅速に対処することで、被害を最小限に抑えることができる。しかし監視対象外のところで、同じような割合で侵入が発生していたとすると……、気が付かない間に情報が盗まれていたり、第三者から指摘されるまで被害に気付かなかったりといったことも起こり得る」(岡本氏)。
侵入に気が付けた組織とそうでなかった組織をまとめてみると、「2015年の年金事業者による個人情報流出以降、対策が進み、自組織で確認できる体制が整いつつあるが、それでもまだ外部からの指摘で気が付くケースや侵入から半年以上経過していたケースなども見られた。自組織で確認できたケースは、何らかの対策をしている。万が一侵入されても後手に回ることなくその対処をある程度でき、侵入時期の特定もできている」と、岡本氏は対策の必要性を訴える。
情報漏えい被害に気が付けたのはわずか12%
法人企業における3大脅威の3つ目は、同じく法人が所有する情報を狙った公開サーバへの攻撃である。
2016年、公開サーバからの情報漏えい事例の件数は年間42件で、200万件以上の情報が被害を受けたという。その対象としては、クレジットカード情報の漏えい、個人情報の漏えい、ポイントの不正利用といったもので、金銭につながるような情報が狙われている。
公開サーバへの攻撃は大きく2つある。1つは、Webサーバ/システムが侵害されて、背後にあるデータベースやWeb上で入力された情報がそのまま盗み取られてしまうというケースだ。手段としては脆弱性を狙った攻撃による侵入で、遠隔から情報を持ち去ってしまう。もう1つが管理者アカウントや管理者PCの乗っ取りである。これらを乗っ取ることができれば、正面玄関から堂々とWebサーバ/システムに侵入できる。これ以外としては、クラウドサービスのアカウントをハッキングして、そのサービスを不正利用する攻撃などもあり得るという。
「公開サーバからの情報漏えいの最たる原因は、『脆弱性』である。業務やサービスの都合上、セキュリティアップデートをその都度当てられないということで、脆弱性が残った状態のまま運用されているケースがよく見受けられる」(岡本氏)。同社の調べによると、公表事例42件のうち約40%が脆弱性が原因だったという。また、深刻な問題として、岡本氏は「情報漏えいに気が付いた理由の多くが、外部からの指摘(52%)であり、ECサイトなど事業に大きな影響のあるWebサイトの被害でも、自ら気が付けた組織はわずか12%のみだった」と語る。
3大脅威の動向を受け、岡本氏は次のようにコメントする。「侵入対策として、修正プログラムの適用を迅速に行い、脆弱性をふさぐことだ。また、総合的な対策としては、端末だけでなく、ゲートウェイやネットワークといったさまざまなレイヤーに対して、複数の技術を取り入れた多層的な防御を施すことが不可欠である。大切なファイルのバックアップについてはランサムウェア対策以前の備えとして実施すべき事項であり、ネットワーク監視による攻撃の可視化、サーバの侵入・改ざん防止やログ監視機能の利用といった対策を施すことが重要である」(岡本氏)。
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