矢野経済研究所 国内CAD/CAM/CAEシステム市場調査
成熟化した国内CAD/CAM/CAE市場の救世主は3Dスキャナー?
矢野経済研究所は「国内のCAD/CAM/CAEシステム市場」に関する調査結果を発表した。
矢野経済研究所は2016年11月7日、「国内のCAD/CAM/CAEシステム市場」に関する調査結果を発表した。
調査期間は同年5~10月。機械系CAD/CAM/CAEシステムメーカー、EDA(Electronic Design Automation)システムメーカー、土木・建築系CADシステムメーカーを対象に、面談および電話・メールでのヒアリングを実施し、その結果を調査レポート「2016年版 CAD/CAM/CAEシステム市場の中期展望」にまとめた。以降で、同調査レポートの概要を紹介していく。
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国内の設備投資は一定規模を維持!? 2016年度の市場規模は?
2015年度の国内CAD/CAM/CAEシステム市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、経済環境の緩やかな回復基調を背景に、前年度比2.4%増となる3305億円となった。
2016年度については、世界経済の減速懸念、米国の利上げに対する慎重姿勢の高まり、英国のEU離脱などの外的要因から円高傾向が続いており、輸出型産業を中心に業績悪化が懸念されている。その一方で、地震の復興需要を含む公共投資、経済財政政策の効果などが下支えとなり、国内の設備投資は一定規模を維持する見通しだという。こうした背景から、2016年度の国内CAD/CAM/CAEシステム市場規模は、3449億円(前年度比4.4%増)になると予測する。
分野別でみると、機械系CAD/CAM/CAEの市場規模は2015年度で2221億円(前年度比5.2%増)となり、2016年度は2329億円(前年度比4.8%増)を見込む。
一方、EDAの市場規模は、国内の電子工業生産がピーク時の約半分の水準となり大きく落ち込んだことから、2015年度は前年度比4.8%減の701億円となった。EDAシステムメーカーは現在、自動車分野など半導体業界以外へ拡販を進めていることから、2016年度については、727億円(前年度比3.7%増)と回復する見通しであるという。
土木・建築系CADの市場規模は2015年度が383億円(前年度比0.8%増)。2016年度は394億円(前年度比2.8%増)になる見込み。東日本大震災から続く復興需要は現在も高水準で推移しており、土木・建築系CAD市場は堅調であるという。
サブスクリプション方式が市場にもたらす影響は?
現在、CAD/CAM/CAE分野では、ライセンス購入モデルが従来の永久ライセンス(買い取り)方式から、一定期間だけ使用してその分だけライセンス費用を支払うサブスクリプション方式にシフトしつつある。長年、ライセンス販売方式を採用していたCAD/CAM/CAE分野だが、外資系大手ベンダー各社がサブスクリプション方式に切り替えはじめている。この影響で、市場規模が一時的に減少するとみられるが、こうした外資系CAD/CAM/CAEベンダーの動きに、国内ユーザー企業が追従していくかどうかの判断は難しいとしている。なぜなら、サブスクリプション方式はクラウドサービスとセットで取り入れられることが多く、これに対して国内ユーザー企業が保守的な動きを示しているからだという。
救世主は3Dスキャナーをはじめとする入力技術の進展!?
前述の通り、国内CAD/CAM/CAEシステム市場規模はおおむね緩やかに成長を続けているが、そのペースは近年になり低下しつつある。これは国内製造業が成熟化している表れといえるが、今後同市場が成長していくためには、適用領域の拡大を目指す必要があり、新たなCAD/CAM/CAEシステムの適用先を探すことが重要だとする。
その助けとなるのが、安価な3Dスキャナーの登場だという。CAD分野の主力である3次元CADの普及・利用拡大のネックとなっていたデータ作成の障壁を取り払う存在として3Dスキャナーが有用だとする。これまで3次元のデータを作成するには、専門知識が必要であったが、安価な3Dスキャナーや写真データから3次元データに変換する技術などが進展することで、今後のCAD/CAM/CAEシステムの適応領域が拡大し、新たな市場創出の可能性もあり得るとしている。
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