設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用(2)
あなたのステークホルダーは誰ですか? 「組織」や「人」との関係を押さえる(2/2 ページ)
企業内外のステークホルダーは誰か?
3D CADを推進するというのは、一見設計部門のみの話に聞こえてしまうかもしれませんが、「会社に利益を生む」という視点で「3D CAD」を考えた場合、技術面・仕事の流れ・設備投資を考えれば、全ての部門において関連性があり、さらには社外においても関連性を持つことになるわけです。
この考えを持たない場合、3D CADというものが、開発設計環境の中だけの部分最適にしかならず、ツールの置き換えにすぎないものになるのではないでしょうか。企業全体を考えた場合、また顧客との関係をも考えた場合、そこには利害関係(利害関係者)というものが存在します。
設計が誤った設計情報として、例えば、間違った寸法が記載された加工図面を出図してしまったとしましょう。当然、この図面を受け取った調達部門はこの情報のまま加工部品の手配を行い、加工部門(加工会社)もまたそのまま部品加工を行います。そして、製造部門で組み立てを行う際に初めて設計不良だと気が付き、再度部品を製作することになるのです……。こうした手戻りにより、企業は時間もコストもロスするわけです。
また、製品品質上問題があるものを出荷してしまった場合は、顧客側で問題になります。そもそも顧客がいなければ、企業の存在価値はありません。また社員がいなければ企業は成り立ちません。このような利害関係(利害関係者)を「ステークホルダー」といいます(図4)。
あなたの企業内外のステークホルダーは誰ですか?
ステークホルダーを結ぶ情報伝達については、さまざまな仕組みがあります。例えば、3D CADも“情報伝達=コミュニケーション”の仕組みだと筆者は考えます。それ故、企業の組織構造を理解することと、ステークホルダーを明確にすることは、重要です。そして、社内で話をする際のキーマンは、このステークホルダーとなる人なのです。
ステークホルダーへのヒアリング
さて、ヒアリングの話に戻ります。筆者が取り組んでいる3D CAD推進というプロジェクトですが、もともとは筆者が日ごろ疑問に感じていたことを部門長に話したことがきっかけでスタートした、“トップダウン”のプロジェクトなのです。
筆者が話したことは、
3D CADが導入されても設計不良は減少せず、導入効果が表れていない。
ということでした。
そして、部門長の
では何とかしてみなさい。
という一言から、プロジェクトがスタートしたのです。
そのときの筆者は、一時離れていた設計部門に再び戻ったタイミングで、それ以前から3D CADの導入効果について問題視していました。これを前回紹介した問題と課題に当てはめてみると、
問題:
3DCADを導入しても設計不良が減少していない
課題:
3DCAD導入による設計品質の向上を図る
となります。
この問題を探るために、3D CADを運用している設計課員とまだ運用をしていない課員全員、設計に対し利害関係のある全部門長と主だったその課員に対し、事前調査としてのヒアリングを実施しました。この対象者が筆者の考える企業内のステークホルダーになるわけです。
ヒアリングでは相手の話を否定することはしません。全て「そうだね(そうですね)」と言って傾聴します。ここでヒアリングする側が否定したり、自己主張を強めたりしてしまうと客観的な話を得ることはまず不可能でしょう。
ということで次回は、“ヒアリングからどうやって問題を発見していくか”についてお話したいと思います。お楽しみに! (次回に続く)
◎併せて読みたいお薦めホワイトペーパー:
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設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
設計品質の向上、さらなる生産効率化など、設計・製造現場では常に厳しい要求が突き付けられている。そうした中、3D CADをはじめとしたツールの導入やより効果的な使い方を追求した組織としての取り組みも行われている。本連載では3D CAD/3Dデータ活用にフォーカスし、プロジェクト管理者がどのような視点で現場改革を推進していくべきか、そのヒントを提示する。 ◎こんなキーワードに興味のある方にオススメ:[3D CAD][3Dデータ][3D推進][3次元設計][設計品質向上][ツール導入]
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