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» 2018年10月05日 09時00分 公開

業務に適した3D CADをレーダーチャートで探る(1):3D CAD選びで失敗しないために知っておきたい“6つ”のポイント (1/2)

3D CADソフトの選定を行う際、皆さんはどのような基準で評価を行っているだろうか。本連載では、3D CADをどのようなポイントで選べばよいか? さまざまな3D CADソフトや機能を紹介しながら、レーダーチャートでその特性や機能性を評価する。連載第1回では、3D CAD活用のメリットをおさらいすると同時に、3D CADソフトを評価する上で基準となる6つのポイントを取り上げる。

[小原照記/いわてデジタルエンジニア育成センター,TechFactory]

 皆さん、はじめまして! 小原照記(おばらてるき)と申します。普段は岩手県の「いわてデジタルエンジニア育成センター」という施設で3D CADを中核とした、3次元モノづくりの人材育成と“企業さんのお困りごと”を聞いて支援する仕事をしています。当センターではいろいろな3D CADを保有しており、学生や企業の方たち向けに講習会を開催したり、3Dプリンタでの試作や3Dスキャナーを使用しての検査やリバースエンジニアリングなどの受託を行ったりしています。

 そんな筆者が今回、3D CADの機能や選び方、ソフトの紹介などについて書かせていただくことになりました。筆者が普段、いろいろな企業さんと付き合う中で聞こえてきたお話や、自分自身が3D CADやCAEソフトなどを使用して感じた現場目線の意見など、可能な限り紹介できればと思っています。皆さまに少しでも有益な情報を提供できるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。


初心に帰ろう! 3D CADの活用メリットを振り返る

 筆者が実際に企業を訪問し、3D CADについて説明していると、「3D CADは“立体を作成できるだけのもの”」と思い込んでいる方に出会うことがあります。確かに、最近は展示会やセミナーなどで3D CADの根本的な説明をするメーカーや商社は少なく、最新機能の紹介が主のため、“基本的なできること”を知らない人も多くいると感じています。

 ということで、まずは“3D CADで一般的にできること”について紹介します。既に3D CADを使用されている方にとっては当たり前の内容になりますので、必要のない方は読み飛ばしてください。

 3D CADが立体形状を作成するソフトであることは、皆さんご存じのことと思います。立体形状にすることで2Dの図面よりも形状認識がしやすいのはもちろんですが、それだけではなく、断面を切ったり、組み立て性の検討や部品と部品の干渉チェックを行ったり、材料を指定して質量や重心を確認したりといったことが可能です。また、3Dモデルから2D図面の作製も容易にできます。CAEやCAMといったソフトと連携させ、3D CADで作成した3Dモデルを使用して構造解析や熱、流体などのシミュレーション、加工プログラムの作成なども行えます。最近では3Dプリンタも主流となってきて、3D CADで作成したモデルをそのまま3Dプリントして、物理的なモノとして手にすることが可能となりました。

図1 3D CAD活用のメリット 図1 3D CAD活用のメリット

 2Dの図面の場合には、人間が頭の中で想像したり、計算したりする部分がありましたが、3Dにすることでこうしたプロセスが軽減され、人的ミスを大幅に減らすことができます。

 図1の右側に列挙した内容が3D CADの主なメリットであり、導入しようと思うきっかけに当たる部分ではないでしょうか。そして、図1の左側にある図は、どの3D CADソフトにも搭載されている基本的な機能になります。では、どこをポイントにして自分に合った3D CADを選べばよいのでしょうか? 次は3D CADの選び方について紹介します。

迷ってしまう!? 3D CADソフトウェアの選定、その違いとは?

 世の中には多くの3D CADソフトがあり、3D CADの導入を検討する際に、一体どれを買っていいのか、迷われると思います。失敗する要因として、「3D CADやITの知識を持った人が社内にいない」「何をやりたいのかのイメージもできていなく、商社任せになってしまっている」といったことが挙げられます。

 ここからは、3D CADをどういったポイントで選んでいけばよいのかについて、6つの項目に分けて説明します(図2)。

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