2019年はさらに状況が悪化!? 危険にさらされるIoT機器を脅威から守るには:宮田健の「セキュリティの道も一歩から」(34)(1/2 ページ)
「モノづくりに携わる人」だからこそ、もう無関心ではいられない情報セキュリティ対策の話。でも堅苦しい内容はちょっと苦手……という方に向けて、今日から使えるセキュリティ雑学・ネタをお届け! 今回は、情報通信研究機構(NICT)による「NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)」プロジェクトの話題から“IoT機器のセキュリティ”について掘り下げていきます。
2019年1月25日、NHKニュースにて「総務省 IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も」という、センセーショナルなタイトルの記事が掲載されました(現在は掲載期間終了)。この中には、下記のような文言が掲載されていました。
サイバー攻撃対策の一環として、総務省は家庭や企業にあるインターネット家電などのいわゆる「IoT機器」に無差別に侵入して対策が不十分な機器を洗い出す、世界でも例のない調査を行うことになりました。しかし、実質的に不正アクセスと変わらない行為を特例的に国が行うことに懸念の声も上がっています。
⇒出典:NHKニュース「総務省 IoT機器に無差別侵入し調査へ 前例ない調査に懸念も」より引用([WebArchive])
これは2018年11月1日に施行された、「電気通信事業法及び国立研究開発法人情報通信研究機構法の一部を改正する法律」をもとに実施するプロジェクトで、情報通信研究機構(NICT)によるサイバー攻撃対策の1つとして、2019年2月20日から「NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)」という名称で実施される予定です。
この反応は賛否両論というよりも「否」一色に近い状況です。例えば、上記NHKニュースの[はてなブックマーク]を見てみると、かなりの方が驚きのコメントを寄せています。中には、なぜこれまで話題になっていなかったのだ! という論調も見られます。
単にこの話を「政府による“無差別侵入”」と捉えると反発するのは当たり前です。しかし、その前段にある話を理解してからの方が、より深い議論ができるはずです。実はこれ、製造業の方々、インターネットにつながる機器を開発する方々も無関係ではないどころか、その“当事者”といっても過言ではありません。ぜひ、憤る前にお読みください。
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