インドネシア“ローカル”のシステム会社の実態:インドネシアにおける日系製造業のIT事情(4)(1/2 ページ)
インドネシアに工場を持つ、日系製造業のIT事情とは? 中国に3年、タイに3年駐在した経験のある筆者が、それらの国と比較したインドネシア特有のIT導入の実態について現地からレポート。第4回では、インドネシア現地(ローカル)のシステム会社の実態について取り上げる。
インドネシア現地のシステム会社を訪問して感じたこと
インドネシア市場での当社活動も2年目に入り、日系システム会社以外にインドネシア現地のシステム会社から当社代理店になって頂ける会社を探して、いろいろな会社を訪問している。
大手企業(従業員規模:1000人以上)は財閥グループに属しているケースが多く、なかなか訪問の機会をもらえない。既にSAPなどの大手ERPシステムを手掛けており、新しい事業に人を割く余裕がないように感じる。中小(従業員規模:100人程度)のシステム会社を訪問すると倉庫のような門構えのオフィスには驚かされるが、人事、給与、会計といったシステム開発で20年以上の歴史を持つ企業も多い。ここでまたぶち当たるのは、生産管理をメイン事業としている独立系のシステム会社がローカル企業の中にも少ないということだ。やっとの思いで見つけても既に欧米系の生産管理パッケージソフトウェアの仕事で忙しい会社や、長い貢献を認められて欧米ERPメーカーのインドネシア法人として買収されてしまった会社もあった。
これら独立系システム会社のCEOの多くは、過去に欧米などへの留学経験があり、その知識がベースとなり会社を興している。つまり、“日本の大学に留学もしくは日本で就職した後に帰国し、起業する”という人材はまだ少ない。よって当社製品のように日本市場で高いマーケットシェアを持っていても、海外市場での知名度はこれからという製品に触手を伸ばしてくれる企業はまれだ。唯一期待できるのは日本のオフショア拠点としてビジネスを続けてきた会社ということになるが、彼らの持つスキルはWebシステム開発やモバイルフォンのアプリケーション開発のスキルがメインだ。当社にとっては“帯に短したすきに長し”といった状況だ。
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