日立とアマダがIoTを活用したモノづくりの革新で「協創」を開始:企業戦略
日立製作所はIoTを活用し、生産からサプライヤーも含めたバリューチェーン全体までの最適化に向けたアマダとの協創を開始したと発表した。
日立製作所(日立)は2018年6月1日、IoT(モノのインターネット)を活用し、生産からサプライヤーも含めたバリューチェーン全体までの最適化に向けたアマダとの協創を開始したと発表した。両社の連携により、高度な生産システムを構築し、モノづくりの革新を目指す。
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第1段階として、板金加工機械を製造するアマダの主力生産拠点である富士宮工場(静岡県富士宮市)に、日立のOT(Operational Technology、制御技術)とITを融合したIoTプラットフォーム「Lumada」を活用した先進モデルを順次構築する。これにより、アマダの国内外の工場への適用拡大を目指す。
具体的には、アマダがユーザー向けに提供しているIoTソリューション「V-factory」と連携し、Lumadaを活用した高効率生産モデルの導入による工場での生産の最適化から、製造現場の主要業績評価指標を一元的に見える化する製造ダッシュボードまでの生産システムを構築する。さらに、国内外のサプライヤーとの生産情報の連携などにより、バリューチェーン全体を最適化し、アマダの国内外の製造拠点への適用拡大を図っていく。
日立グループでは2017年9月から、日立産機システムがアマダの土岐事業所(岐阜県土岐市)で設備稼働状況の見える化をはじめとしたIoTシステムを構築している。今回の協創は、こうした経験やノウハウを生かし、日立と日立産機が連携して推進する。また、日立は、Lumadaの産業分野向けソリューションに協創を通じて得た成果を取り込み、製造業向けに事業展開を図るとしている。
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