地下足袋メーカーが考えたトレーニングシューズ、その製品化と未来の靴づくりを支えるデジタル技術:丸五|3DEXPERIENCE Forum Japan 2018(1/2 ページ)
岡山県倉敷市に本社工場を構える、大正8年創業の地下足袋メーカー丸五。「地下足袋の良さをもっといろいろな人に知ってもらいたい」という思いから考案したのが、地下足袋型トレーニングシューズ「hitoe(ヒトエ)」だ。その開発および製品化には、新たな製法との出会いやデジタル化への挑戦などが欠かせなかったという。
地下足袋の良さをもっといろいろな人に知ってもらいたい
現在販売されているスニーカーの多くが高いクッション性能を備え、足や膝、腰への負担軽減などをうたっている。機能性だけではなく、おしゃれなデザインも多く、つい見た目で選んでしまいがちだが、“正しい靴選び”という観点からいうと、足本来の動きができ、自分の足の形に合った靴を履くことが重要だ。
例えば、クッション性能に優れたスニーカーを履き続けることで、本来足に備わっている衝撃吸収機能が使われなくなり退化してしまう。あるいは、かかとの高い靴を履き続けることで、はだしでの立位姿勢が後ろに傾いてしまい浮指となり、膝や腰に負担が掛かり、身体のバランスが崩れてしまう。女性に多い、外反母趾も足先の圧迫によるものが原因として知られている。さらに、現代のシューズを履いて運動しても、足指を鍛えることが難しいという調査データもあり、現代人の靴選びの問題点が話題になることも多い。
また、足裏に備わる「メカノレセプター」と呼ばれるセンサーが足裏からの情報(刺激)を脳に伝達することで、人間は走行や立位時のバランスを制御しているといわれているが、この感覚も使わなければ当然退化してしまう……。
このような現代人の足の悩みに対し、地下足袋型トレーニングシューズを提案する企業がある。大正8年(1919年)創業の丸五(岡山県倉敷市)だ。
同社は、作業用地下足袋や祭り足袋、安全スニーカーなどをメイン商材として製造、販売を行っており、「地下足袋の良さをもっといろいろな人に知ってもらいたい」との思いから、地下足袋型トレーニングシューズ「hitoe(ヒトエ)」を考案。その開発および製品化には、新たな開発技法(製法)との出会いやデジタル化への挑戦などが欠かせなかったという。
そんなhitoeの開発を手掛けた、同社 FW商品管理部 企画設計グループ 宇佐美彰規氏が、ダッソー・システムズ主催「3DEXPERIENCE Forum Japan 2018」のユーザー事例講演に登壇。「地下足袋型トレーニングシューズ(hitoe) 誕生ストーリーと未来」をテーマに講演を行った。以下、その模様を紹介する。
◎「3D CAD」関連記事 〜ソフトウェア選定、導入、活用事例、現場課題〜 など
» 3D CAD選びで失敗しないために知っておきたい“6つ”のポイント
» 商用3D CAD製品カタログ
» 設計・製造現場を変革する3D CAD/3Dデータ活用
» CAD、CAE環境をVDIへ移行するための手引き
» 製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力
地下足袋型トレーニングシューズ「hitoe」開発秘話
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.