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使って分かった「Fusion 360」を製造現場で活用すべき理由【CAM編】製造現場でこそ使いたい! Fusion 360の魅力(2)(1/3 ページ)

個人ユーザーを中心に人気を集めるオートデスクのクラウドベース3D CAD「Fusion 360」。ホビーユースだけではなく、本格的な設計業務でも活用できるというが、果たして本当なのか? “ママさん設計者”として活動する筆者が、現場目線でFusion 360の有効性や活用メリットを探る。連載第2回では、切削加工の現場にオススメしたい「3D CAM」の機能について取り上げる。

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「Fusion 360」をどう役立てればよいのか?

 前回は、クラウドベースの3D統合ツール「Fusion 360」の概要と独自性、そして実務利用の可能性についてお話しました。

 Fusion 360は設計から製造に至るまでのお役立ちツールがひとまとめになっているので、製造現場ではなじみの薄いツールも含まれています。そのせいもあり、Fusion 360をどう役立てればよいのかがいまひとつはっきり見えないかも知れません。そこで今回は、Fusion 360の機能の中でも“切削加工の現場”にオススメしたい「3D CAM」に注目して、その中身をご紹介します。


 まず基本的な認識として、「CAMとは何か?」を簡単にお話しします。

CAM(Computer Aided Manufacturing)とは?

 CAM(Computer Aided Manufacturing:コンピュータ支援製造)は、CADデータを基に加工プログラムを作成してくれるツールです。CADデータを用意して切削条件の設定やツールの選択といった情報を正しく入力すれば、理論上では誰が操作しても同じ加工プログラムが作れます。そのため、CAMは加工の効率化、標準化に役立つツールといえます。CADと同じくCAMにも2Dと3Dがあり、3D CAMは2D CAMとしての働きも兼ねるので、加工メニューは幅広くなります。

 CADは導入済みでも「CAMは未導入」という現場はまだ多くあります。そのような現場では、CAMだけを追加するよりも、システムを刷新してCAD/CAMにする方が合理的であり、こうした場面においてFusion 360は非常に有力です。

 開発中の試作というのは、実に頻繁に仕様変更などを繰り返します。ですから、CAD/CAMがなく、手組みで加工プログラムを作成している現場は大変なのです。変更後の差し替え図面が送られてくると、その都度寸法を追い直して加工プログラムを直したり、作り替えたりの人的な手間が発生します。ひどいときには、プログラムを直している最中に再度図面が差し替えられて手戻りだらけとなり、“プログラムミス ⇒ 不良発生の原因”になることもあります。

 その点、Fusion 360は統合ツールなので、同じ環境の中でCADとCAMは同期しており、CAD/CAMとして働きます。ですから、一度Fusion 360 CAMで加工プログラムを作成したモデルに変更を加えると、プログラムも自動的に再計算されて更新されます。これにより、モデルとプログラムは常に整合がとれ、急な設計変更にも短時間の段取りで対応できる上、ミスの少ない合理的なデータ管理が可能になるのです。このように、人材と設備と時間という会社の資産を生かして、より合理的な生産を行う手助けをすることが、CAD/CAMの一番の役目であるといえます。

加工の合理化ツールとしてメリットを発揮する「Fusion 360」
図1 加工の合理化ツールとしてメリットを発揮する「Fusion 360」

初心者にも優しいUIを備えた「Fusion 360 CAM」

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