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ソフトウェア品質のためにテストが「できること」「できないこと」IoT時代の組み込み系ソフトウェア品質(5)(5/5 ページ)

テストは品質を守る最後の守護者であるが、品質はテストだけで守られる訳ではない。しかしその関係は深く、テストは品質を導く水先案内人といえる。ここでは、テストが品質に対して「できること」と「できないこと」を説明したい。

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徒弟制度と品質向上

 小規模だった昔の組み込み系開発では職人気質と徒弟制度はよくマッチしていた。無駄なく適切な品質を作りこみ、世界に誇れる組み込み品質を維持していた。確かに21世紀初頭では日本の組み込み系機器の品質はメカやエレキの品質はもちろん、ソフトを入れても上位にあった。

 徒弟制度の中で品質をつかさどるテストもほぼ完全に伝授されていった。この徒弟制度は人材育成にも一定の効果があり、暗黙的なOJT(On the Job Training)としての役割を担っていた。しかし徒弟制度の中で情報は可視化されず、口伝または秘儀・奥義のように暗黙知となることが多かった。

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