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WannaCryで明らかになった生産システムのセキュリティ、「理想」と「現実」の間(2/4 ページ)
ランサムウェア「WannaCry」はITシステムのみならず、自動車生産拠点を稼働停止に追い込むなど猛威を振るい、亜種の発生もあっていまだに予断を許しません。WannaCryが浮き彫りにした生産システムが内包する「2つの問題点」と業務を守る「2つの対応策」を解説します。
ITシステム以外にも影響を及ぼし始めたランサムウェア
あらためて、WannaCryとはどんなマルウェアなのかをおさらいしておきましょう。これは、感染すると画面をロックしたり、ファイルを暗号化したりして使用できない状態に陥れ、「元に戻してほしければ金銭を支払え」と要求してくる悪意あるソフトウェアです。
ランサムウェア自体は比較的古くから存在していました。特にここ数年は、PCをターゲットにしたランサムウェアの数が急増しており、家庭でPCを利用している一般のユーザーだけでなく、企業のファイルサーバに格納された重要なファイルまでもが餌食となる傾向にあります。IT以外のシステムがランサムウェアの影響を受けたケースも初めてではありません。
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