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WannaCryで明らかになった生産システムのセキュリティ、「理想」と「現実」の間(1/4 ページ)

ランサムウェア「WannaCry」はITシステムのみならず、自動車生産拠点を稼働停止に追い込むなど猛威を振るい、亜種の発生もあっていまだに予断を許しません。WannaCryが浮き彫りにした生産システムが内包する「2つの問題点」と業務を守る「2つの対応策」を解説します。

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生産拠点を停止に追い込んだランサムウェア

 2017年5月に発生して約150カ国に広がり、国内でも複数の企業で感染が確認されたランサムウェア「WannaCry」については、テレビや新聞といったマスメディアで度々報じられたこともあり、ご存じの方も多いことでしょう。とはいえ、モノ作りの現場からは縁遠い話だと感じている人もいるのではないでしょうか?

 しかし残念ながらそれは間違いです。WannaCryは当初、主にヨーロッパ、ロシアで感染を広めましたが、その際にフランスのルノーの工場でも感染があり、稼働の停止が報じられています。また、いったん火種が収まったかに見えた6月18日には、ホンダ狭山工場の生産拠点の一部でシステムがランサムウェアに感染し、操業を一時停止。約1000台の生産に影響が生じたと報じられています。

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(写真はイメージです)

 さらに、6月28日には新たなマルウェア「Petya」が登場しました。日本での被害は報告されていませんが、ウクライナでは政府機関や複数の銀行の他、地下鉄や国際空港、製造業の一部でも感染が発生し、業務の一部を手動に切り替えざるを得なくなったと伝えられています。


生産システムが内包する「2つの問題点」

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