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「ARMコアの普及」(後編)――Intelの牙城に迫るプロセッサIP(1/2 ページ)
ARMはCPUの設計図(IP)を開発販売する企業だが、現在のような地位は「製品の素晴らしさ」だけで培われたものではない。Intelの牙城を侵食しつつあるまでに至った、ARMの強さの源泉を探る。
なぜARMは市場を席巻できたのか
前編(「ARMコアの普及」――AppleとNokiaに見初められたプロセッサIP)ではARMの歴史から現在の主力である「Cortexシリーズ」のラインアップまでを紹介した。では、なぜこれらがスマートフォンから車載機器、産業機器まで幅広く利用されるに至ったのかだが、これは単純にCortexシリーズが性能的に優れているからという話だけではない。理由の推測には、複数の立場からの考察が必要となる。
まず半導体メーカーだが、彼らは製造したチップを使ってもらわねば売上が立たない。特にデジタル半導体ベンダーの場合、CPUを組み込んだSoCが一番単価を高くできるので、できればこれを自社で製造販売したい。そのためにはCPUを調達しなければならないのだが、これが意外な難問である。
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