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“鳥の目”でIT導入の真の目的を見極めよ! 何となくのIT活用にさようなら:中小企業のためのIT活用のススメ(2)(2/2 ページ)
本格的な第4次産業革命の到来に向け、IoT活用への期待が非常に高まっている。この大きなビジネスチャンスをつかむべく、大企業を中心にさまざまな戦略、施策が打ち出されているが、果たして中小企業はどうすべきか? 第2回では「2017年版ものづくり白書」に触れつつ、現場のあるある課題を取り上げながら仕事の電算化(IT活用)における目標設定の在り方を紹介する。
3.目標設定は経営の視点で
多くの中小企業ではあるある課題リストのように、業務を阻害する悩みごとを抱えています。ITを活用して、自分たちの仕事が少しでもスムーズに進められないかと、日々悪戦苦闘している状況だと思います。このような状況を解決するためには、何を目標にしたらよいのでしょうか?
もちろん、職場のIT活用ですから、実際にITを使用するエンドユーザーのメリットを考えるべきですが、それだけでは企業のIT活用は成功しません。個人のPCであれば、個人的な趣味や興味本位だけでも導入理由になりますが、業務用のITですから、“会社経営の視点”で、なぜ仕事を電算化する必要があるのかを考えなければなりません。その際に大切なのは、できるだけ定量的に判断できるような評価指標を設定することだといわれています。
以下は、IT活用のメリットを経営視点で見た場合の評価指標の一例です。今、皆さんが職場で使用中のIT(ワープロソフト、電子メール、CADソフト、図面管理、生産管理、販売管理システムなど)は、果たして下記の評価指標のどれに貢献しているでしょうか。
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