「IoTデバイスは信頼できるか」南海の楽園で語られたIoTセキュリティの「いま」と「対策」:Kaspersky Security Analyst Summit(1/2 ページ)
「デバイスは信用できるか?コードは信頼できるか?」「産業用制御システムセキュリティの3本柱とは何か?」――カスペルスキーがカリブ海のリゾート地で開催したイベントの中から、セキュリティポリシーと産業用制御システムを取り上げた2つを紹介する。
Kaspersky Labsが開催しているセキュリティ関連イベント「Security Analyst Summit(SAS)」が2017年も開催された。最高経営責任者(CEO)ユージン・カスペルスキー氏の意向で、毎回世界のリゾート地が開催地として選ばれており、2017年はカリブ海に浮かぶセント・マーチン島のリゾートホテルを会場に、2日間にわたって多くのセッションが用意された。
そのセッションの中で、「セキュリティポリシーとセキュリティプログラムの重要性」を取り上げた2つのセッションをご紹介する。
コードを信用するな!
まず、KasperskyのAndrey Nikishin氏の講演では、「Trustとは何か」と問いかける。言葉としての定義はいくつかあるが、その中で「信頼とは、他人がすることや今後の状況が予測可能なこと。もし私たちが信頼する人々に囲まれていたら、現在の安全とより良い将来を作り出せる」という定義を示す。
それに続くNikishin氏の問いかけは「デバイスは信頼できるのか?」というものだ。特に「通信機器やIoTデバイスは信頼できるのか?」とNikishin氏は問いかける。過去には、例えばJETPLOW、HEADWATER、STUCCOMONTANAといったさまざまなルーター向けのマルウェアが発見されており、この数カ月の間だけでもホームルーターの脆弱(ぜいじゃく)性が7つも発見されている。
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