組み込み機器向けグラフィックスLSIと統合ソフトウェア開発基盤をセットで提供:アクセル/京都マイクロコンピュータ SOLID Starter Kit for AG903
アクセルは、同社の組み込み機器向けグラフィックスLSI「AG903」の採用拡大に向け、京都マイクロコンピュータ(KMC)と協業することを発表した。
アクセルは2017年4月18日、同社の組み込み機器向けグラフィックスLSI「AG903」の採用拡大に向け、京都マイクロコンピュータ(以下、KMC)と協業することを発表した。これに伴い、アクセルのAG903搭載ボードとKMCのソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID」をセットにした「SOLID Starter Kit for AG903」の販売を開始するという。販売価格(税別)は5万円で、販売はKMCが行う(ECサイトでの販売も予定)。
AG903は、「ARM Cortex-A5」プロセッサおよび大容量VRAMを搭載し、描画エンジン「OpenVG 1.1」に対応したSoC製品。画像センシングにも応用可能な画像処理機能を搭載し、工場の製品外観検査装置やカメラを用いた顔認証システムなどにも利用できるという。一方のSOLIDは、RTOSとコンパイラ、デバッガ、IDEといった開発ツールを一体化した組み込み機器用統合ソフトウェア開発プラットフォームである(関連記事:リアルタイムOSと開発環境を一体化したソフトウェア開発プラットフォーム)。SOLIDのOSは日本発のRTOS「TOPPERS」をベースに開発したもので、AG903は画像処理関連の機能をハードウェア化しているため、両製品の組み合わせにより、高速、高精度、高性能な組み込みシステムを実現できるとする。
通常、SoC製品は多機能であるため、複数ベンダーから各機能のソフトウェア開発環境を入手する必要があり、さらにソフトウェア開発のためのボードも用意しなければならなかった。今回提供を開始するSOLID Starter Kit for AG903には、ブートローダや各種ドライバなども含まれており、すぐに組み込みソフトウェア開発をスタートできる。そのためユーザーは、ほぼアプリケーション層に専念するだけで組み込みシステムの開発が可能になるという。
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