東芝機械は2016年11月、同社初となる全電動式のダイカストシステムを開発したと発表した。射出機能を全電動化したことで、ひけ巣や巻き込み巣の発生を抑える層流充填(じゅうてん)を可能とし、低速安定射出制御によって溶湯が安定する。油圧を用いる従来の射出機と比べ、省電力化や厚肉・高強度の部品成形の品質向上も見込める。
鋳込容量は、従来機の1.3kgから2.4kgに増やした。自動車向けの大型部品など、大型製品にも対応できる。
高解像度の15インチモニターを用いた制御装置「TOSCAST-888」を搭載し、操作性も向上している。トラブルが発生した際に故障箇所を特定する診断機能を備え、機械復旧までの時間も短縮できる。IoT(モノのインターネット)に対応するため、通信機能も追加した。
自動車業界には、鉄からアルミへの軽量化、ダイカスト製品を厚肉・高強度化するニーズがある。同社では、このニーズに応える全電動ダイカストシステムにより、商品バリエーションの拡大を図る。
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